オンボロ車を1円でも高く売る方法

2022/12/04

節約

 今回は、マイカーを上手に売却する方法を体験談にもとづいて解説します。

僕は新聞記者時代にも何度かマイカーを買い替えた経験がありますが、使用済みの車はいつもボロボロの状態だったので、買取業者に「これは値段が付きませんね」と言われるまま、無料で引き取ってもらっていました。

でも、早期退職してリタイア生活を送ってゆく以上、これからはもっと賢い消費者にならなきゃいけない。そこで一念発起して「賢い売り方」を勉強し、昨年春に人生初の「見積もり合わせ」にチャレンジ。その結果、使い古したオンボロな車を予想外の価格で買い取ってもらうことに成功しました。

僕にとって非常に教訓に満ちた体験だったので、その経緯をここに書きとめておこうと思います。これからマイカーを手放そうと考えている方はぜひ参考にしてください。




カーセンサーで一括査定依頼

売却した車は、トヨタの小型車ヴィッツ(平成21年式、走行距離7万キロ、排気量1290㏄)。7年前に40万円くらいで中古車店から購入し、取材にも使っていた車です。

エンジンの不具合はありませんが、ボディに複数の傷やヘコみができて、いかにもオンボロな雰囲気。今回も「値段はつきませんね」と言われそうな気がしましたが、当たって砕けろの精神で挑むことにしました。

利用したのは、多くの業者に無料査定を一括依頼できる中古車情報サイト「カーセンサー」です。

車の基本データと住所、名前、電話番号を入力すると、1分もたたないうちにA社の営業レディから電話がかかってきました。

ところが、彼女は車の様子をいろいろ尋ねた後、「すみません。お客様の車の年式を勘違いしていました。平成21年式のヴィッツはウチでは買取対象になっていません」と言って電話を切ってしまいました。これはあまり期待できないかも……。幸先の悪いスタートでした。


即決を迫るヤンキー営業マン

しかし、その後も次々と中古車業者から連絡が入り、早速その日の夕方にB社とC社の営業マンが我が家にやってきました。


2人を前に僕は「たくさんの業者さんに査定をお願いしているので、一番いい値をつけてくれたところに後日連絡します」と告げました。

ところが、これを聞いたヤンキー風のB社の営業マンは露骨に嫌な顔をして「正直、この車ではどこも値段をつけられないと思いますよ。ただ、今ここにいる2社のどちらかで即決してくれるなら、うちは値段を出しますが」と言いました。

むむ、そうくるか。でも、ここで退いたら相手の思うつぼです。

「即決はしません。必ず全ての査定結果を見たうえで決めます」と断ると、ヤンキー君は会社にいる上司と電話で相談したうえで、「じゃあ、買取は無理です」と言って帰っていきました。

一方、C社の営業マンは車をじっくり観察して「うちは4万円です」と価格を提示。うわ、値段がついちゃったぞ、と内心驚きましたが、あくまでポーカーフェースを保ちつつ「では、そちらにお願いする場合は週明けに電話します」と応じました。

「他社の価格は?」探り合う業者

翌日以降も買取業者の訪問は続き、D社5万円、E社7万5000円と提示価格はどんどん上がっていきました。

どの業者も「他社さんは最高いくらの価格を提示してきましたか?」とライバルの動向をさぐろうとしてきますが、僕は「公平を期すために、どの社にも他社の価格はお伝えしないことにしています」とつっぱね続けました。業者に緊張感を持たせることで、彼らが提示できる限度額を引き出そうと考えたからです。

さて、そうこうしているうちに、最後の査定業者であるF社の営業マンがやってきました。丸々と太った「くまモン」のような雰囲気の男性です。

「この車ですとウチが出せるのは15000円です。ただ、即決してもらえるなら5万円出せます」

彼の言葉に「またこのパターンかよ」とうんざりした僕は、「即決はしません。1万5000円ということで検討させてもらいます」と言って彼を帰しました。


コロコロ変わる買取価格

よし、これで決まりだ。7万5000円のE社に買い取ってもらうとするか……。

そう考えていると、さきほどの「くまモン」から電話が入りました。

「私、本社の者と交渉して、明日までにお答えをいただけるなら7万円まで出していいという許可を取りつけました!」

なんじゃこいつ、さっきは即決でも5万円だと言ってたじゃないか。

呆れた僕が「わかりました、7万円ですね。検討します」と言って電話を切ろうとすると、彼は「結論が出るのはいつごろですか」と必死で尋ねてきます。

「もう1社査定してもらう予定になっているから(ウソ)、明日の夜です」

「何時ごろですか」

「午後6時ごろには決まると思いますが(適当)」

「その時に電話いただけませんか。結果を聞いてまた検討したいのですが……」

「考えておきます」

電話を切りながら思いました。「結果を聞いて検討したい」ということは、要するに、彼はまだ自分の中の限度額を提示していないということです。必死さはわかりますが、どうも好感が持てません。

翌日午後6時過ぎ、再び「くまモン」から電話が入りました。

「どういう結論になりましたか」

「残念ながら、他社さんでいい価格を出してくれるところがありましたので、そちらに決めようと思っています」

「もう連絡はされましたか」

「いえ、これからです」

「価格を教えていただけませんか」

なんてしつこい奴だ。いい加減あきらめてほしかったので、僕は1万円サバを読んで価格を伝えることにしました。

「8万5000円出してくれるそうです」

こう言って電話を切ろうとしたところ、彼が大声で言いました。

「再度、本社と交渉して10万円までなら出せるという許可をいただきました! 今年の自動車税の自己負担分を差し引いて、実際には9万4300円お渡しできます。いかがでしょうか」

正直、予想外の高価格でした。わずかな差であれば、最初から限度額を提示してくれた誠実なE社を選ぶところですが、これだけ違うと話は別です。

結局、僕は「くまモン」のF社にヴィッツを売り渡しました。



業者によって結果はバラバラ

改めて振り返ると各社の提示価格はこんな感じでした。

A社   0円(買取対象でない)

B社   0円(即決じゃないと値段を出せない)

C社 40000

D社 50000

E社 75000

F社 15000円→70000円→100000 

いや~、中古車の査定結果って、本当にバラバラなんですね。

一体この中のどの数字が妥当なのか、素人の僕には皆目わかりません。ただ、「買取対象にならない」という声がある中で、10万円払う業者を見つけることができたのは、僕にとって間違いなく大きな成果だと思います。

ちなみに、契約を終えたF社の「くまモン」によると、中古車の買取価格というのは、その時々の在庫量や流通量に応じて目まぐるしく変化するもの。F社の場合、近々新たな店舗を開設する予定なので、積極的に在庫数を増やしている最中だったんだそうです。

では最後に、一連の体験から僕が学んだ教訓を掲げて、今回のお話を締めさせていただきます。

【マイカー売却五カ条】

一、 オークションの主催者だいう自覚を持つ。

二、 即決要求には応じない。

三、 業者には他社の提示価格を簡単に教えない。

四、 もし教える場合は高めにサバを読む。

五、 業者に対しては常に「この後もまだ他社の査定が残っている」と装う。

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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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