退職前、資産運用を猛勉強

2022/11/14

資産運用 退職エピソード

 

僕が早期リタイアを決意してから実際に新聞社を辞めるまでには、半年ほどの期間がありました。この間、最も時間をかけて考えたことは、もちろん退職後の収支計画です。

これまではメガバンクの普通預金一辺倒だった自分のお金を、今後はどういう割合でどういう資産に置き換えるべきか。その運用益でいかに生活費を賄い、資産残高の目減りを最小限に抑えてゆくべきか、という切実な問題です。

 前回も書きましたが、長かった新聞記者時代に、節約型人間の僕はかなりのお金を貯めました。その反面、投資なるものにはずっと無関心でいました。

「たくさん給料をもらってるんだから投資なんてどうでもいい。そんなことに時間をかけるくらいなら、面白いネタを探していた方がいい」

「銀行の利息なんて低くて構わない。俺のお金を安全に保管してくれてさえいれば、それ以上のことは何も求めない」

今振り返れば、いろいろ無知だったと思いますが、若いころは本気でそう考えていました。

銀行預金がバカバカしく

ところが、もうすぐ給料が入ってこなくなるという現実を目の前にすると、さすがにこれだけの大金をほぼゼロ金利の銀行口座に眠らせておくのはバカバカしくなってきました。そこで生まれて初めて投資の勉強を始めたわけです。 

ちなみに、僕がいた新聞社では、記者が株取引することを社内ルールで規制していました。取材で知り得た未公開情報を使ったインサイダー取引を予防するためです。

だから、僕のような無精者はなおさら、「投資なんて勉強しても俺たち記者とは無縁のもの」という認識で過ごしてきました。それが突然の方針転換です。

退職までの半年間、僕はそれこそ仕事そっちのけで経済面の投資記事を読み、マネー雑誌を読み、投資本を読み、投資系ブロガーや投資系YouTuberの話に耳を傾けながら、ありとあらゆる投資法や投資商品、先人たちの成功談や失敗談について調べました。

必要に迫られて始めた勉強ですが、それは思いのほか、知的好奇心を刺激する面白い世界でした。

しかし、金融リテラシーの土台がない初心者にとっては、あまりにも玉石混交の情報と、玉石混交の投資商品があふれるカオスな世界でもありました。だから最初は、一体何を信じればいいのだろうと混乱したものです。 

情報のシャワーを浴びろ!

 ただ、長いあいだ記者をしていたお陰で、僕はこういう未知の分野に踏み込む際の自分なりの方法論を身につけていました。それはこうです。 

《情報をシャワーのように浴びろ! 浴びて、浴びて、浴び続けているうちに、どれが本物でどれが偽物か、なんとなく見えてくる。》 

で、それを実践しました。

その結果、自分なりの基本方針とでもいうべきものが徐々に出来あがってきました。大体こんな感じです。 


一、取引手数料の安いネット証券会社(SBI証券、楽天証券など)に口座を開き、世界各国の株式に分散投資するインデックスファンドに全資産の3分の1程度を投入する。

 

一、残りの資産の大部分は、少しでも利率の高いネット銀行(オリックス銀行、SBJ銀行など)の円定期預金と、少しでも為替手数料の安いネット銀行(住信SBI銀行など)のドル定期預金にする。 


一、アクティブファンド、外貨建て保険、新興国通貨、FX、暗号資産、不動産には手を出さない。個別株投資はやるにしても趣味程度にとどめ、短期の売買はしない。 


以上です。

インデックスファンドというのは、ごく大雑把かつ乱暴に説明すると、格安の運用コストで何百何千という会社の株に薄く広く分散投資してくれるタイプの投資信託のこと。

(※この説明に突っ込みどころが沢山あることは自覚していますが、正確を期すと文章が長く言葉が難解になってしまうので見逃してください)

つまり僕は、世界全体の経済成長に期待して平均的なリターンを狙うインデックス投資を資産運用の柱にすえることにしたわけです。

もっとも、生まれつきの臆病な性格なので「数ある投資法の中でインデックス投資が一番理に適っていると思うけど、大暴落がきた時のことを考えると資産の大半を投じるのは怖い」というのが正直なところです。

そんなわけで退職後、「eMAXIS slim全世界株式(除く日本)」など数種類のインデックスファンドを恐る恐る段階的に購入してきました。 


最後に少しだけ近況報告しておきます。

今年に入って米国はじめ世界の株価は低迷していますが、ありがたいことに僕が保有しているインデックスファンドの価格は、記録的な円安のせいでほとんど下がっていません。

むしろ、円安の波がやってくる前に預金の一部をドルに替えていたおかげで、資産総額は年初よりいくらか増えました。もちろん、日々の生活費を支出したうえでのことです。

「運用益で生活費を賄いながら資産の目減りを防ぐ」という僕の中の勝敗ラインからすれば、十分満足すべき結果でしょう。ただし、この先どうなるかはわかりませんが……。

 なお、念のためですが、今回示した資産運用方針は僕個人の価値観に基づくものであり、ひと様にお勧めするような大層なものではありません。にわか勉強した中年男の浅知恵として御笑覧いただければと思います。


〈追記1〉前述の通り、僕がインデックス投資に投入する金額の上限は、当初「全資産の3分の1程度」と決めていましたが、その後、投資に慣れるにしたがって徐々に割合を引き上げることにしました。

〈追記2〉暗号資産、不動産、個別株の短期取引などには手を出さないという趣旨のことを書いていますが、これらの投資が悪いという意味ではありません。僕には向いていないからやらないという話です。

〈追記3〉この記事を書いた当時は安全資産置き場をネット銀行の定期預金にしていましたが、その後の金利変動を踏まえ、現在は個人向け国債(変動10)を安全資産置き場にしています。


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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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