銀行口座の放置で生じるデメリット

2023/01/17

資産運用

今回は、銀行口座を断捨離した話です。

銀行に預けたお金を何年も放置しておくと、口座使用料を取られるようになったり、自由に出金できなくなったりすることがあるという話を聞いたことがありませんか?

これは本当です。だから、いくつもの銀行を利用している人は、存在を忘れてしまっている口座がないか時々チェックして、不要なものはバシバシ処分していく必要があります。

この記事では、口座を放置することで具体的にどんな不利益が生じるかを解説しつつ、僕がこのほど実行した口座断捨離の結果を報告します。

 



10年放置で「休眠預金」扱い

まずは放置が引き起こす不利益の話です。

例えば、預けたお金が「休眠預金」と判定されてしまうケースがあります。

みなさんは2018年に施行された休眠預金等活用法という法律を知っていますか。

金融機関に普通預金や定期預金を預けたまま、10年以上、引き出しや預け入れなどの取引をしなかったら、忘れ去られてしまったも同然のお金だとみなされ、預金保険機構に管理が移されてしまうという、ちょっと恐ろしい法律です。(詳しくは金融庁HPで)

ちなみに、利息の入金や通帳記入では取引したことになりません。放置状態から脱するには出入金や振り込みをする必要があります。

実際には、預金保険機構へ移管される前に預金者の届け出住所へ事前通知が送られてきますが、ここで転居先不明とか宛先不明とかだったらアウト。また、口座の残高が1万円未満なら、通知すら省略されて即アウトになるそうです。

そして、いったん預金保険機構に移管されてしまうと、当然のことながらATMで引き出したりはできません。通帳や身分証明書を銀行窓口に持参して手続きをしなければお金が戻ってこないことになります。 

2年放置で口座使用料が発生

とはいえ、「さすがに10年間も放置しないよ」と思う人もいるでしょう。

しかし近年、3大メガバンクでは、わずか1~2年の放置で預金者に口座使用料など事実上のペナルティーを課す動きが広がっています。

具体的にはこんな感じです。(参考までに、各銀行が紙の通帳利用者に課すようになった手数料についてもあわせて紹介しておきます。)


🔷三菱UFJ銀行

2021年7月以降に開設した普通預金口座の場合、2年以上出入金がなければ年間1320円の「未利用口座手数料」を取られる。(参照元

2022年4月以降に開設した普通預金口座の場合、紙の通帳の利用者は年間550円の手数料を取られる。(参照元


 🔷三井住友銀行

2021年4月以降に開設した普通預金口座で、残高1万円未満の場合、2年以上取引がなければ毎年1100円のデジタル未使用手数料を取られる。(参照元

2021年4月以降に開設した口座の場合、紙の通帳の利用者は毎年550円の手数料を取られる。(参照元

 

🔷みずほ銀行

口座開設時期に関わらず、通帳に1年以上記帳しないでいると、紙の通帳を発行しない電子口座に自動で切り替えられてしまう。ただし、現在は何らかの事情で自動切替を停止しているらしい。(参照元

2021年1月以降に開設した口座の場合、紙の通帳を発行・繰越するたびに1100円の手数料を取られる。(参照元


いかがでしょうか。

銀行にしてみれば、おいしい運用先もないこの低金利時代に、使いもしない口座を作られたら、経費ばかりかかって仕方ないということなのでしょう。

でも、これだと日常的に生活費を引き出したり、公共料金を引き落としたりしていない口座は、ちょっと油断しているとたちまちペナルティーの対象になりかねません。やはり口座の作りすぎは要注意です。

 

増えすぎた口座は断捨離せよ

もっとも、かくいう僕も口座コレクターのような状態に陥っています。

サラリーマン時代に給料の振込先にしていたメガバンク口座や、退職後に「金利が高い」「証券会社と相性がいい」といった理由で次々開設したネット銀行口座など、どんどん数が増えてゆき、昨年末時点で9口座も保有するようになっていました。

で、この正月に考えました。

このままだと暗証番号やパスワードの管理が大変だし、いつの間にか存在を忘れてしまう口座が出てくるかもしれない。何より、自分が突然死んだら、残された家族が口座を把握するだけで一苦労だ……。

というわけで、この機会に口座の断捨離を実行することにしました。



ターゲットはもちろん、何かと手数料がかかる3大メガバンクの口座です。(ゆうちょ銀行は数年前に断捨離済み)

ただし、3行すべてを解約してしまうのは得策でありません。なぜなら、世の中にはネット銀行からの口座引き落としに対応していない市役所や学校がまだまだたくさんあるからです。

そこで、3行が設けている上記ペナルティーの内容を見比べ、どの銀行の口座を残すべきか考えてみることにしました。

ありがたいことに、僕のメガバンク口座はどれも2020年以前に開設したものだから、とりあえず現行制度では2年程度の放置で口座使用料を課せられる心配はなさそうです。(10年放置で休眠預金になるリスクはありますが……)

ただし、みずほ銀行だけは口座開設時期に関わらず、わずか1年記帳しなかっただけで紙の通帳が使えなくなってしまう可能性があるようです。

僕の場合、紙の通帳が使えなくても特に困ることはないけれど、この時代にあえて店舗型銀行の口座を持つメリットを考えてみると、「インターネットでアクセスできない場所にも資産の一部を置いておく安心感」という要素があると思います。

だから、もしメガバンクの口座をこれからも持ち続けるとしたら、あえてネットバンキングを利用せず、昔ながらの紙の通帳で管理することによって、ネット銀行と役割分担させた方がいいんじゃないか。

このような理由から、1年記帳を怠っただけで紙通帳が使えなくなるかもしれないみずほ銀行の口座は断捨離決定。

残るはUFJと三井住友ですが、これは正直どっちでもほぼ同じ。それなら、僕は三井住友フィナンシャルグループの株式を持っているので、口座の方は三菱UFJ銀行を残し、少額だけお金を入れておくことにしました。

(ただし、三井住友の方もせっかくの紙通帳無料口座なので、残高0円の状態で口座だけ生かしておきます。これなら必要に応じて再び口座を使うこともできるし、万一、口座の存在を忘れてしまっても何の不利益も生じません。)

というわけで、保有口座は実質2減の7口座に。できればもっと減らしたいところですが、今回はとりあえずここまでにしておきます。

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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。ただいま49歳。

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