都会or田舎? 賃貸or持ち家? FIRE後の住宅問題

2023/08/10

リタイア生活

FIRE後の人生設計の中で最も悩ましい問題の一つが、住まいの選択でしょう。

賃貸か持ち家か、マンションか戸建てか、都会暮らしか田舎暮らしか……。

悩みどころは無限にあります。

この住宅問題、FIREするかどうかに限らず、ほとんどの日本人が直面している普遍的な悩みなのですが、FIRE達成者ならではの特殊事情もあります。

というわけで今回は我が家を例に挙げながら、FIRE後の悩ましい住宅問題について考えてみます。



海辺で暮らしたい僕、都会希望の妻

まず、我が家の住宅事情を説明しておきましょう。

僕は現在、比較的都会の賃貸マンション(駅から徒歩5分以内)で妻や子供たちと暮らしています。ここに住んでいる最大の理由は、子供たちが通っている中高一貫校の通学に便利だから。

逆に言えば、あと何年かして子供たちが独立すれば、もうここに住み続ける理由はなくなります。つまり、このマンションは子育て期間を乗り切るための仮住まいという位置づけなのです。

では、その先はどうするのか。実は、ほとんど何も決まっていません。




僕個人としては田舎の海辺に移住して、釣りや魚突きを楽しみながら暮らしたいなと考えているのですが、妻はバリバリの都会暮らし希望。居住地で合意するのはかなり難しそうです。

仮に合意できたとしても、その次にさらなる難問が横たわっています。賃貸or持ち家問題です。

賃貸と持ち家、僕の好みは…

そもそもの好みから言えば、僕は断然、賃貸派です。

いろいろ理由はありますが、主には「人生を固定したくない」「いつでも方向転換できる身軽さを残しておきたい」といった理由からです。

現役時代に転勤族だった僕は、これまでの人生で2ケタの引っ越しを経験しています。その過程で都会暮らしも田舎暮らしも味わいました。

その経験から言えることは、どこか1カ所の土地を「終の棲家」と決めるような定住人生より、時々住む場所を替えながらいろんな土地をつまみ食いするような人生の方が、自分の好みに合っているということです。

仮に「海辺暮らし」を選ぶにしても、都会に近い房総や伊豆という選択肢もあるし、より自然豊かな山陰や四国という選択肢もある。亜熱帯の奄美や沖縄という選択肢もあり、それぞれの海にそれぞれの良さがあります。仮に今の自分が「奄美のサンゴ礁が最高!」と思っていても、10年後の自分が同じ感覚でいるとは限りません。




そういう意味では、状況が変わったらいつでも引っ越しできる身軽な賃貸生活こそ、僕にとって理想的なライフスタイルだと言えます。幸いなことに、この点においては妻も同じ価値観を持っています。

実は難しいFIRE後の賃貸生活

しかし、本当に悩ましいのはここからです。

FIREした人が賃貸生活を続けるって、実は思いのほか困難なのです。

この日本では、いったんサラリーマンの肩書を失うと、新たな賃貸契約を結ぶのが極端に難しくなるという現実があります。

FIRE達成者というのは、世間的な職業分類に当てはめると単なる「無職」です。安定した給与収入がない以上、賃貸物件を所有する大家さんの目には「家賃滞納リスクの高い客」と映ります。

その結果、普通のサラリーマンだったら何の問題もなく入居できるような物件でも、信用力が足りないと判断されて契約前の入居審査で落とされてしまいがちなのです。




さらに言えば、賃貸住宅というのは高齢になればなるほど入居を断られる可能性が高くなります。これもやはり、孤独死などによって事故物件化するリスクを大家さんが恐れるからです。

なので、我が家の場合、あくまで今後も賃貸生活を続けてゆきたいと希望しているけれど、現実的にはいずれ住宅を一括払い購入することになるかもしれないな……と覚悟はしています。

(※FIRE達成者たちのブログを読んでいると、持ち家に住んでいるケースが圧倒的に多いと感じますが、恐らくこういう事情が影響しているのではないでしょうか。)

時代よ 変われ

とはいえ、まだ完全にあきらめてはいません。

少子高齢化が急速に進む日本では、近い将来、賃貸住宅が圧倒的にダブつく時代がやってくる。そうなったら、大家さんたちも「サラリーマンじゃなきゃダメ」「高齢者お断り」なんて贅沢は言ってられなくなるに違いない……。

個人的にはこんな希望的観測を胸に秘め、住宅市場が様変わりすることを期待しています。

まあ、その前に、居住地をめぐる夫婦間の意見の違いを何とかしておかなくてはならないのですが。














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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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