海遊びマニアのおすすめアイテム6選

2023/08/03

旅・アウトドア

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島国ニッポンの夏の娯楽と言えば、海遊び。


かく言う僕も少年時代から学生時代、サラリーマン時代を通じて、毎年夏が来るたびに各地の海で泳ぎまわってきました。

3年前に会社を早期退職してからはさらに拍車がかかり、あるときは子連れで、あるときは単独で海辺の宿に短期滞在し、連日魚を追いかけるのが夏の恒例行事に。

そこで今回は、同じく海を愛する同志のみなさんへ向けて、海遊びマニアの僕が夏の海へ必ず持っていくおすすめアイテムを6つ紹介します。これがあれば海水浴が何倍も楽しくなること間違いなしです。

(※水着・ゴーグル・シュノーケルといった基本装備は省いております。)


1位 ヤス(手銛)





まずは何といってもこれ。ゴムの反発力を利用して魚を突くヤス(手銛)です。

僕の経験から言わせてもらえば、これを持って海に入るだけで99%の人間は我を忘れて魚を追いかけ始めます。現代人の脳の奥底に秘められた狩猟本能を覚醒させる魔性のアイテムだと言っても過言ではありません。

初心者であれば、釣具店やホームセンターで売っているような1000円未満の竹ヤスや青ヤスから始めるのがおすすめ。これでも十分、カワハギやカサゴといったおいしい魚を仕留めることができます。

 

少し上達して「もっと大物を狙いたい」という欲が出てきたら、より射程距離の長い数千円クラスの組み立て式のヤスを買えばいいでしょう。

 


さて、これから魚突きを始めたいという初心者の方にひとつアドバイスしておきます。それは、海底の岩場にいる魚に全力でヤスを打ち込んではいけない、ということ。

これをやると、岩に当たった刃先が簡単にひん曲がったり折れたりして、すぐに買い替える羽目になってしまいます。まあ、僕もこうやって何本もダメにしながら技を磨いてきたのですが……。

そして言うまでもないことですが、ヤスというのは誤った使い方をすると人間を殺傷してしまう危険な道具でもあります。事故には十分注意してください。

ちなみに、僕自身は子供がある程度大きくなるまでは「やりたい」と言われても貸さないようにしているし、周囲30mくらいの範囲に他の海水浴客がいるような場所では魚突きは自粛しています。たとえ事故が起こらなくても、ヤスを持って近くを泳いでいるだけで人を不安にさせてしまう可能性があるからです。

さらに注意点を付け加えておくと、都道府県によっては漁業調整規則(魚獲りに関するローカルルール)で一般人の魚突きを禁止しているところもあります。詳しくは水産庁のサイトをご覧ください。

また、都道府県レベルで禁止されていなくても、より細かい海域レベルで魚突きが規制されているケースもあります。例えば、僕が去年訪れた伊豆諸島の式根島(東京都)では、島内に数カ所ある海水浴場のうち1カ所で魚突きを認め、残りの場所では禁止していました。

無用なトラブルを避けるためにも、海へ出かける前にインターネットなどで情報を集め、地元の漁師さんや他の海水浴客と良好な関係を築くようにしましょう。

2位 泳ぎ釣り専用竿


ヤスを使った魚突きには少し抵抗があるけど、海水浴をしながらちょこっと魚を捕まえてみたい。そういう人に試してほしいのがこれ。泳ぎながら魚を釣ることに特化したリール一体型の釣り竿です。

何が面白いと言って、魚がエサに食いつく瞬間をその目で観察できるほど面白いことはありません。本当にハマります。

私事で恐縮ですが、海好きの僕にとって泳ぎ釣りは少年時代からの趣味でした。
海面を泳いで移動しながらゴーグルで海の中をのぞき、魚たちが潜んでいそうな海底の岩と岩の隙間を探して糸をたらすわけです。

最初のころは、木片に釣り糸を巻き付けただけの簡単な仕掛けを使っていたのですが、大人になって、より深い場所に潜んでいる大物を釣りたくなると、リールのついた本物の竿を使って泳ぎ釣りをするようになりました。


しかし、これをやると次第にリールが錆びついて使い物にならなくなってしまいます。
なんとか道具を痛めず、快適に泳ぎ釣りをする方法はないものか……。
そんな悩みを抱えて試行錯誤を繰り返した末、たどりついたのが、錆びない素材で作られた泳ぎ釣り専用竿の存在でした。

 

初めてこれを見たときは、「俺と同じような悩みを抱え、解決していた人間がいたのか!」と感動したものです。

さらに調べてみると、泳ぎ釣りは海外でも「シュノーケル・フィッシング」という名のレジャーとして認知されているというからビックリ。やはり海好きの人間が考えることは世界共通のようです。
(※ちなみに魚突きは海外でスピア・フィッシングを呼ばれています。)

念のため断っておくと、我が身を水中にさらして釣りをするわけだから、魚からもこちらの姿が丸見えです。なので、クロダイやイシダイなど警戒心の強い魚をこの方法で釣るのはかなり難易度が高い。

でも、カサゴとかベラとかいった食い意地の張った連中なら、数m頭上の海面に人間が浮かんでいても平気でエサに食らいついてきます。

ちなみに、エサはフナムシでもいいし、その辺の岩に張り付いている小さな巻貝や一枚貝を石で叩き割って中身を使ってもOKです。


小中学生の子供を持つ親御さんなら、ライフジャケットを着用させた我が子を脇に侍らせ、魚が食いつく瞬間を観察させてあげることも夢ではありません。うちの子もこれを見せてやったら、即、泳ぎ釣りにハマりました。




3位 保冷リュック



魚突きや泳ぎ釣りで獲物を仕留めたら、後でおいしく食べるために冷やしておかなければなりません。そのためには、釣り用のクーラーボックスを海に持っていくのが理想的なのですが、あれはどうしても荷物になります。

車で出かける場合はいいとして、電車や船を乗り継いで遠方の海へ出かけるときは正直邪魔。そこで重宝するのがこの保冷リュック。保冷能力はクーラーボックスに劣るものの、通常のバックパックと同じようにどこへでも気軽に背負っていけるのが素晴らしい。

僕の場合、リュックの中に凍らせた2ℓペットボトルとジップロック式のナイロン袋を入れておき、魚を仕留めたらナイロン袋に収めてリュックの中に放り込んでおきます。これなら、炎天下でも丸一日冷たさを保つことができ、新鮮なままの魚を夕食で味わうことが可能です。

ちなみに、この保冷リュック、海に行くときだけじゃなく、夏場にスーパーで生鮮食品を買って帰るときにも重宝します。

 

4位 ギョサン


ギョサンとは「漁業従事者用サンダル」の略。つまり、漁師さん御用達のサンダルです。

ファッション性を度外視して100%機能性を追求しているだけあって、とにかく頑丈で滑りにくく、濡れてもすぐ乾く。海遊びマニアにとっても、まさにうってつけの履物です。

普通のビーチサンダルなんかで波打ち際をジャブジャブ歩いていると、水の抵抗を受けてすぐに鼻緒が抜けたり切れたりしてしまいますが、ギョサンの場合、鼻緒と本体が完全に一体化した状態で成型されているので相当過酷な使い方をしても平気です。

僕の場合、魚突きをしているときも泳ぎ釣りをしているときも、大体フィン(足ひれ)ではなくギョサンを履いています。

その理由は、泳いでいる最中に海面から突き出た岩礁を見つけると、つい上陸してみたくなるから。そんなとき、ギョサンを履いていたら躊躇なく岩に足をかけてよじ登ることができる。

つまり、ギョサンというのは水陸両用モビルスーツのような活動を可能にするアイテムなのです。



ちなみに、足の甲まで覆ってくれるアクアシューズであれば、さらに安全に岩礁に上陸することが可能です。(※ギョサンだと踏ん張った瞬間に足からずれて岩角やカキで足の裏を切ってしまうことが時々あります。)
それでも僕の場合、「ギョサンの方が海から上がったときに乾くのが早くて快適」「ギョサンだと日常行動と海遊びの両方に使えるから荷物が増えなくて便利」という2つの理由で、アクアシューズよりギョサンを多用しています。まあ、このあたりは好みの問題でしょう。

ここでまた初心者の方へアドバイスがあります。
それは、何日間も海辺に滞在するときは、出発の1カ月前くらいから日常生活でも積極的にギョサンを履いて足をなじませておくべし、ということです。

なぜなら、海遊びでは皮膚が塩水でふやけた状態でサンダルやシューズを履き続けるため、非常に靴擦れを起こしやすい。だからせめて、あらかじめ鼻緒などが接触する部分の皮膚を擦れに慣らしておく必要があります。

人間の皮膚というのはよくできていて、日常的にちょっとずつ物が当たっていると、すぐにその部分の皮が厚く強化されて靴擦れを起こしにくくなるのです。「登山には履きなれた靴で行け」と言われるのと同じ理屈です。

だから僕の場合、毎年夏が近づくと外出時は常にギョサンを履くようにしています。(※もちろん、サラリーマン時代は靴を履いていましたが。)

それからもう一つ。
さきほどギョサンはファッション性を度外視していると書きましたが、最近では透明な素材のギョサンとか、ラメが入ったギョサンとか、見た目を意識した商品も売られているようです。

 

5位 フード付きラッシュガード



海遊びで最も警戒すべきは水難事故ですが、その次は日焼けでしょう。
皮膚がんなどの病気や皮膚の老化を予防するためにも日焼け止めクリームなどをこまめに塗った方がいいと思いますが、露出部分が多いといちいち塗るのが面倒くさい。また、海水に溶けだしたクリームが水質に悪影響を与えるという話も聞きます。

そこで活躍するのがこれ。フードがあれば帽子代わりにもなり、シュノーケリングの最中に首の後ろ側が日焼けするのを防いでくれます。

さらに商品によっては長袖の先に親指を通す穴があり、手の甲の日焼けまでカバーしてくれるので、日焼け止めを塗る場所が本当に少なくて済みます。ひざ下を覆うレッグカバーを着用すれば、日焼け対策はさらに盤石です。

 

6位 ウェットスーツ


さらに本格的に海遊びをしたい。なんなら1日中泳ぎ回っていたい、という人はもうこれを買いましょう。

水着とラッシュガードだけで泳ぐのと比べると圧倒的に体が冷えにくいので、それだけ長く海に入っていることが可能になります。特に「泳ぎ釣り」をする人は海の中でジッとしている時間が多くなりがちなので、ウェットスーツの着用をおすすめします。

さらにもう一つ、ウェットスーツには大きな利点があります。それは、体の大部分がクラゲに刺されなくなるということです。これは本当に快適です。

僕は皮膚が弱いのか、昔から海へ行くたびクラゲに悩まされてきました。一緒に泳いでいる友人が誰も刺されていないのに、僕だけ刺されてミミズ腫れのようなものができてしまうのです。これがまた、蚊に刺されるよりも痒く、しかもその痒さが何日間も続くから厄介です。

だから、僕にとってはクラゲ対策の1点だけでもウェットスーツを着るメリットは大きい。たとえ荷物が重くなってしまうとしても、これを海に持っていく価値は十分あります。

 


以上、海遊びマニアの僕が夏の海に必ず持っていくアイテム6選でした。
「海辺でプチサバイバル体験をしてみたい」と密かに夢見ている方、この夏はぜひこれらの品々を試してみてください。

最後に少し余計な一言を付け加えさせていただくと、海で不要になったものはくれぐれも現地に放置せず、持ち帰るようにしてください。
僕は毎年あちこちの海へ泳ぎに行っているのですが、悲しいことに日本の海岸はどこへ行ってもゴミがあふれています。
ペットボトル、レジ袋、空き缶、空き瓶、菓子袋……。
この夏訪れた〈日本最後の秘境〉と呼ばれるトカラ列島・小宝島の美しい海岸にも、やはりいくつものプラスチックゴミが漂着していました。
これらのゴミは単に海辺の景観を損ねるだけでなく、地球規模で海の生き物や環境に実害を与える忌まわしい存在です。
せめてこのブログを読んでいただいている方々には、海を汚す側の人間にならないでほしい。それが僕の切なる願いです。


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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。ただいま49歳。

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