40代半ばを過ぎると死が身近になってくる

2024/01/08

リタイア生活

昨年末から正月にかけて、昔の友人や元上司といった「懐かしい顔」と再会する機会が3度ありました。

相手はいずれも40~60代の現役サラリーマンなのですが、驚くべきことに、その3人が3人とも、心や体に何らかの不調を抱えていました。そして、そのうちの1人は、僕と会った直後に他界してしまいました。

ああ、人間ってずっと健康ではいられないんだよな……。そんな当たり前のことを痛感させられた年末年始を振り返ってみます。




ガンに侵された元上司

僕が再会した1人目の人物は、新聞記者時代にお世話になった元上司のAさん(60代)です。

彼は今から二十数年前、新卒で新聞社に入った僕が初任地の地方支局で出会った2人目のデスクでした。

ちなみに、最初のデスクは典型的なパワハラ上司でした。そのパワハラ上司に毎日毎日怒鳴られる生活を1年ばかり送った後、人事異動で新しく支局にやってきた後任デスクがAさんだったわけです。

前任者とは対照的に、Aさんは部下を怒鳴ったりせず、いつも冷静な口調で指示を出すタイプでした。入社以来、怒鳴られるのが当たり前の日常にドップリ浸かっていた僕にとっては、これが結構カルチャーショック。「ああ、この業界にもマトモな上司はいるんだな……」と新鮮な驚きを感じたものです。

もっとも、その翌年には僕が人事異動で初任地を去ったので、Aさんの下で仕事ができたのは結局1年間だけでした。

その後、再び同じ職場で働く機会がないまま、3年前に僕が新聞社を早期退職。Aさんとは音信不通になっていたのですが、昨年末になって人づてに「ガンで入院したらしい」と聞き、あわてて見舞いに訪れました。こうして約20年ぶりの再会となったわけです。

残念ながら、Aさんは末期ガンでした。

僕が見舞いに訪れたときはすでに治療が打ち切られ、ホスピスに入っていました。

すっかりやせ衰えた彼は、それでも僕の顔を見ると「おお、久しぶりだな」と笑顔を見せてくれました。

それから30分余り、僕は近況や支局時代の思い出をつらつらと話し、最後に「あんなにお世話になったのに何もお返しができなくて」とお礼を言って別れました。

Aさんの訃報を聞いたのは、その2週間後でした。


心を病んで休職した元同級生

2人目は中学時代の同級生B君(アラフィフ)。

彼は関西の大学を出て、大手電話会社のグループ企業で管理職をしています。中学卒業以来、年賀状のやり取りだけがずっと続いていたのですが、このたび彼から「正月に会おう」と連絡があり、約30年ぶりの再会となりました。

食事をしながら近況を報告しあう中で、B君が現在、仕事のストレスで心を病み、会社を休職していることを知りました。

どうやら彼は、このさき仕事を続けていけるのだろうかという不安を抱え、3年前に早期リタイアした僕にいろいろ話を聞きたくなったようです。

もちろん、僕は出来る限りのアドバイスをしました。

「サラリーマンなんて健康を犠牲にしてまで続けるもんじゃない」

「もっとテキトーな気持ちで働いた方がいい」

「テキトーにやるのがどうしても心苦しいなら、思い切って辞めちゃえばいいんだよ」

といった具合に。

彼は2児の父親で、下の子はまだ小学生。人によっては無責任なアドバイスに聞こえるかもしれませんが、彼の経済状況を聞いた限りでは「きちんと節約さえできれば仕事を辞めても大丈夫なケース」だと感じられたのです。

もちろん、他人のこんなアドバイスだけで決断できるわけもなく、B君は別れ際、「とりあえず、もう少し頑張ってみる」と話していました。

正直、心配です。


腸にポリープができた友人

3人目は大学時代の友人C君(アラフィフ)。今もマスコミ業界でバリバリ働いている元同業者でもあります。

前の2人とは違って、今も時々連絡を取り合って一緒に御飯を食べたりする間柄ですが、つい最近、彼から「突然トイレで血便が出て、病院で詳しい検査を受けることになった」という話を聞きました。

「もしかして大腸ガン……」と嫌な予感がしましたが、その数日後、「医者に診てもらったら良性のポリープだった。心配ないらしい」と連絡があってホッとしました。ポリープは無事に切除され、今のところ体調に問題はないとのこと。

とりあえず一安心ですが、一時は本当に心配でした。


「本当にやりたいこと」を日々やっているか

以上3つのケースから僕が強く感じたのは、

人間、40代半ばを過ぎたころから、死がだんだん身近になってくる

という残酷な事実です。

思い返せば、僕が3年前に45歳で新聞社を早期退職する少し前にも、同い年の同期社員が1人、ガンで亡くなりました。バリバリ激務をこなしていた仕事一筋の男でしたが、ある日突然体の不調を訴え、数か月後に妻と子を残して逝ってしまいました。

あのときも今回と全く同じことを考えました。


人間は意外なほどあっけなく死んでしまう。

あるいは心身の健康を失ってしまう。

だから、やりたいことを先延ばししていると、いつタイムリミットを迎えてしまうか分からない。


僕は今年、40代から50代に突入しますが、幸いなことに今のところ健康を保つことができています。3年前にFIREを実現し、あり余るほどの自由時間を手に入れることもできました。

しかし、この恵まれた環境を生かして、本当にやりたいことを日々実行しているだろうか……。

そんなことを自問させられた年末年始でした。



















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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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