財務省が本日、今月募集する個人向け国債(変動10)の初回適用利率を0.57%(税引き後0.4542045%)にすると発表しました。遅々とした歩みではありますがジリジリと上昇が続いています。
募集期間は5月10~31日。発行日は6月17日です。
(→リリース資料はこちら)
変動10の金利は、日銀による「異次元の金融緩和」の影響で長らく最低ラインの0.05%が続いていましたが、2021年末ごろからジリジリと上がり始め、2023年11月には0.60%まで上昇。しかしその後は下落に転じ、一時は0.4%台をさまよっていました。しかし今年3月、日銀の植田総裁が2016年から続けてきたマイナス金利の解除を発表したことで、再び上昇基調となっています。
とはいえ、安全資産として変動10を保有している立場からすると、「これじゃインフレに全然追いつかない」と嘆きたくなるほど物足りない上昇幅です。いくら植田総裁が緩和環境維持の姿勢を崩していないとはいえ、もう少し早く上がってくれないものかと思ってしまいます。
最もマシな安全資産置き場はどこか
ではここで、いつものようにメガバンクの金利や、高金利をウリにしている主なネット銀行の金利と比較して、「今の日本で最もマシな安全資産置き場はどこか」を考えてみましょう。
(データは5月9日現在、いずれも税引き前、カッコ内は1000万円預けた場合の最初の1年の税引き前概算利息額)
・3大メガバンクの普通預金 0.02%(2000円)
・3大メガバンクの定期預金 0.025%(2500円)※1年もの
・あおぞら銀行の普通預金 0.20%(20000円)
・SBI新生銀行の定期預金 0.40%(40000円)※1年もの
・東京スター銀行の定期預金 0.45%(45000円)※3年もの
・あおぞら銀行の定期預金 0.45%(45000円)※5年もの
・オリックス銀行の定期預金 0.45%(45000円)※7年もの
・個人向け国債(変動10) 0.57%(57000円)※5月募集分
ご覧の通り、マイナス金利が解除されても、国内銀行の預金金利は相変わらず低水準のまま。少し前までは国債金利を上回る利率の定期預金を用意しているネット銀行がチラホラあったのですが、今は全く見当たりません。
というわけで、今の日本で最もマシな安全資産置き場を強いて選ぶなら、依然として個人向け国債ということになりそうです。