今回は魚突き旅行の中間レポートです。
前回の記事でご予告した通り、僕は7月22日から日本海岸のとある漁村の自炊宿で、動物性タンパク質を自前で調達するプチ自給自炊生活を始めました。
17泊18日の長丁場ですが、今日でちょうど7日目。
せっかくなのでこの辺りでここ1週間の活動を振り返ってみます。
岩陰にまだら模様の魚が
僕が滞在している宿は、日本海に面した小さな内湾の奥の集落にあります。
宿のすぐ前には綺麗なビーチがあり、海水浴を楽しむ人の姿もチラホラ。
だけど、ここは砂浜なので魚は少なめ。
僕の主戦場はそこから海岸伝いにしばらく歩いていった先にあります。
それがこちら。
見渡す限り岩だらけの磯。
まさに最高の魚突きフィールドです。
人影と言えば地元の素潜り漁師がたまにサザエを獲りにくるくらいで、海水浴客の姿はほとんど見当たりません。
(※ちなみにサザエは漁業権の対象になっているので僕みたいな遊漁者が獲ることはできません)
宿に到着した初日はクーラーボックスに入れる氷の用意もできていなかったので、シュノーケリングで軽く海中を偵察し、2日目の朝から満を持して魚突きをスタートしました。
5年前に会社を早期退職して以降、足しげく通っていた伊豆諸島やトカラ列島などの南の海に比べると透明度はいくぶん劣り、水温も低めですが、海藻が生い茂る海底の風景には「これぞ日本の海」とでも言いたくなるような風情があります。
愛用のヤスを手に海中にそそり立つ岩の間をしばらく巡回していると、水面下数mの岩陰に赤いまだら模様の魚が。
おお、あれは高級魚として人気のキジハタ(別名アコウ)じゃないか!
あまりの幸運に身震いしながらヤスのゴムを引き絞り、頭から真下方向に潜って標的に接近します。
これ以上近づいたら相手が逃げ出すというギリギリの間合いで打ち出したヤスの刃先は、狙いたがわず美しい魚体を貫きました。
すいません、ここまでの文章を読んでくれた方は「どれほどの大物か!」と期待していたと思いますが、こんなに小さなサイズでした(笑)
とはいえファーストショットでいきなり高級魚。
僕としては十分満足すべき幸先の良いスタートです。
至福の日々
これ以降も連日好調が続きました。
こちらは僕の大好物カワハギ。
キジハタやタイの仲間に比べたら警戒心が弱く、素早くもないので、とても突きやすい。
しかも身はとびきり美味しくて特に肝が絶品。僕にとっては神様のような魚です。
お次はササノハベラ。
お次は同じくベラの仲間のキュウセン。こちらも白身が美味しいです。
お次は磯の定番、カサゴ。
そして、またまたキジハタ。初日のヤツより大きいです。
俗なことを言うと、このサイズならスーパーでも結構な値段が付くんじゃないでしょうか。
さて、魚突きが好調なお陰で、日々の食卓は自給自足生活とは思えないほど華やかになりました。
(※料理に添えているキュウリはこの集落に1軒だけある酒屋さんで買うことができました。)
煮付け
煮魚丼
いや~、極楽極楽。
考えてみれば何万年にもわたって狩猟採集生活を続けてきた人類にとって、自ら捕らえた獲物で食卓を彩るという行為は、本能的な充実感・幸福感を得る一番手っ取り早い方法なんじゃないでしょうか。
しかも、こういうふうに初めての土地に滞在して魚突き三昧の日々を送っていると、「オレが早期退職した理由は色々あったけど、要するにこういうことを思う存分やりたくて辞めたのかもしれないな…」などという思いさえ湧いてきます。
(※もしも、日々の生活でなかなか充実感を得られないとお悩みの方がいらっしゃいましたら、釣りでも山菜取りでも家庭菜園でもいいので自給自足的な趣味を持つことをお勧めします。恐らく本能レベルで心が満たされると思います。)
絶好調に調子づいていると…
そして滞在5日目。
小型ながら人生初のイシダイを仕留めました。
このイシダイという魚は警戒心が強く、人間が近づくとすぐ逃げてしまううえ、すばしこいので、僕の潜水スキルではなかなか射程圏内に納めることができません。
これまで何度も狙っては失敗してきた念願のターゲットです。
思わず「オレの技術、上達してるんじゃ?」などと有頂天になってしまいました。
しかし、好事魔多し。
この直後、海からあがって磯に転がっている石の上をひょいひょいと歩いていたところ、踏み台にした石の一つがぐらりと動いて転倒。
その拍子に岩で手足を擦りむいてしまいました。
ああ、なんたる不覚。
こういう場所では一歩一歩岩が動かないことを確かめながら歩く必要があるとわかっていたはずなのに…
とりあえず、しばらくの間は海に入るのを控えて傷を治さなければいけません。
そういうわけで昨日今日は魚突きを自粛し、宿でここ数日撮りためた水中動画を整理したり、このブログ記事を書いたりしているという次第です。
幸い傷は浅いので、もうしばらくしたら再び海に入れるでしょう。
そのときはこれまで以上に安全に注意しながら海遊びを楽しみたいと思います。みなさんも行楽の際はどうか事故にご注意下さい。
では今回のレポートはこのへんで。