【日本海プチ自給自足・後編】極上の味を持つ危険生物

2025/08/10

旅・アウトドア

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今回は日本海プチ自給自足生活レポートの後編をお届けします。

(前編はこちら

前回お伝えした通り、日本海岸の自炊宿に滞在して5日目、僕は海岸でうっかり転倒し、腕と膝に傷を負ってしまいました。

当初は「2日間くらい 休養して傷を乾かしていたらすぐに治るだろう」とタカをくくって宿でゴロゴロしていたのですが、思いのほか治りが遅い。

腕の傷は浅くてすぐ直ったのですが、膝の方がやや苦戦している感じです。

う~ん、このままじゃ旅行の日程がどんどん削られてしまうな……

そこでとりあえず、防水性のある絆創膏で傷口を密閉して魚突きを再開することにしました。

ただし、僕が持参していた絆創膏は防水をうたっているものの、湿気を透過させて逃がすタイプの商品だったので防水性は完璧ではありません。

恐らく長時間泳いでいる間に浸水してきて傷口がふやけてしまうでしょう。

そうなったらさらに治りが遅くなるだろうし、下手したら化膿して今回の旅行そのものが台無しになってしまうかもしれません。

そこで急遽、ネット通販で強力な完全防水タイプの絆創膏を取り寄せることにしました。

今から7、8年ほど前の会社員時代、京都の丹後半島で魚突きをしていて足の裏をカキ殻で切った際にお世話になった高級絆創膏です。


注文翌日、さっそく商品が宿に届きました。こういうマイカーなしの長期滞在旅行ではネット通販は本当に強い味方です。

これを膝頭の傷口に入念に貼り付けて、いざカムバック!


残念ながら、今回のけがで4日間も魚突きを休んでしまいましたが、まあ、序盤の疲れを回復させる休養日だったと思えばあきらめもつく。

実際、体がリフレッシュしたせいか、この日から再び快進撃が始まりました。


今年は当たり年か

こちらはカサゴとメジナ。



こちらはカワハギとカサゴとアナハゼ。



大カサゴ。



イシダイ。



総じて小粒ではあるものの、連日なにかしらの獲物にありつける幸せ。

しかも、その多くはお店で買ったら値の張る高級魚ばかり。どうやら今シーズンは僕にとって「当たり年」のようです。

さらに言えば、僕が素潜りで活動できる範囲も、心なしか以前より深くなっているような気が……

この年齢(50歳)になっても潜水能力って向上するものなんでしょうか。



オニオコゼとの遭遇

そして滞在14日目。

僕は海の中で超高級魚にして危険生物のオニオコゼに遭遇しました。

海底の岩に擬態して小魚を待ち伏せしているヤツの姿が視界に入った時は、思わず会心の笑みがこぼれたものです。


相手を刺激しないよう、ゆっくり、ゆっくりと間合いを詰めます。

至近距離まで迫ったところでヤスを一閃。

頭のど真ん中を撃ち抜くことに成功しました。


このオニオコゼという魚、背びれのトゲの一本一本が毒針になっており、刺されると激痛、腫れ、しびれ、知覚麻痺などの症状に襲われるだけでなく、ひどい場合は嘔吐や呼吸困難を引き起こし、最悪アナフィラキシーショックで死に至ることもあるという恐ろしい生き物です。

ですが、いかつい外見とは裏腹に、その身は極上の味わい。鮮度の良いものは高価格で取引されることで知られています。

もちろん、僕が仕留めたオニオコゼはそのまま宿の台所へ直行するわけだから究極の鮮度。これが美味しくない訳がありません。

というわけで、捌く前に料理ばさみで慎重に毒針を取り除き…


オニオコゼの刺身とアラ汁が完成。



いや~、感動的な味わいでした。

それにしても日本海で出会う魚って、とにかく美味しそうなヤツばかり。

僕は5年前に勤務先の新聞社を早期退職して以来、毎年夏が来るたびに日本列島のあちこちを旅しながら魚突きを楽しんでいるわけですが、その経験から言わせてもらうと、

カラフルな海中風景や大物との遭遇にドキドキさせられるのが南の海

泳ぎながら涎が出そうになってくるのが日本海

といったところでしょうか。


怒涛の7日連続出漁

まあ、そんなこんなで17泊18日の滞在期間は瞬く間に過ぎてしまいました。

この間の日程を振り返るとこんな感じです。


7月22日 移動、下見泳ぎ

 23日 魚突き

 24日 魚突き

 25日 魚突き

 26日 魚突き、岩で転倒

 27日 休養

 28日 休養

 29日 休養

 30日 休養

 31日 魚突き

8月1日 魚突き

 2日 魚突き

 3日 魚突き

 4日 魚突き

 5日 魚突き

 6日 魚突き

 7日 海荒れ(砂浜で海水浴)

 8日 移動


ご覧の通り17泊18日のうち、移動に費やした初日と最終日、ケガで休養していた4日間、海が荒れて出漁を断念した1日のほかは、計11日間ひたすら魚突きを楽しむことができました。

特に休養明け以降は怒涛の7日連続出漁。おかげで終盤はヘトヘトの日々でした。

さらに言えば、初日は魚突きこそしなかったものの下見のために宿周辺の海を泳ぎ回ったし、海荒れで出漁を断念した日も防波堤の内側の波穏やかな砂浜で小魚と戯れながら海水浴を楽しんだので、トータルで13日間は海で泳ぐことができました。

これも全て天候に恵まれたお陰です。


また、防水絆創膏が最後まで海水の侵入を防ぎ切ってくれたお陰で、膝の傷が悪化することもありませんでした。

旅行終了後に絆創膏を剥がした時はこんな感じ。


傷口はすっかりふさがり、痛みもなくなっていました。医学の進歩(?)には感謝しかありません。

仕留めた獲物は9種23尾

では次に魚突きの戦果を見ていきましょう。

今回の旅行中に仕留めた魚は全部で9種23尾。

具体的にはキジハタ、イシダイ、カワハギ、カサゴ、オニオコゼ、メジナ、アナハゼ、キュウセン、ササノハベラといった顔ぶれです。

これらの獲物は基本的に刺身か煮付けでいただき、刺身を切りだした後の残りはアラ汁に。煮付けの残り汁はそうめんのつゆに再利用して、可能な限り味わい尽くしました。


これまでの魚突き旅行と同じく、獲物が多く獲れた日は早々に漁を打ち切って余計な殺生を戒めたため、今回も食品ロスはゼロ。これも僕にとって満足すべき結果です。

なお、今回滞在した宿の周辺にはスーパーやコンビニがなく、集落の中にある個人経営の酒屋さんが食料品を少し扱っているくらいだったので、プチ自給自炊生活では野菜類の確保が課題となりました。

序盤はこの酒屋さんで売られている結構割高なトマトやキュウリを買ったり、あらかじめ用意しておいた自家製の干し野菜をかじったりしていましたが、これだけではどうしても野菜不足に陥りがち。

どうしたもんかと思っていたところ、思わぬ天の助けがありました。

なんと週末に宿を利用した団体客のバーベキュー食材(キャベツ・カボチャ・ピーマン・エリンギなど)が大量に余り、それをそっくり譲ってもらったのです。

また、宿の前の砂浜でスイカ割り大会をやっていた方々からは、食べきれなかったスイカをいただきました。

そんなわけで、豊かな海から沢山の魚を、出会った人々から大量の野菜をプレゼントしてもらい、最後まで至れり尽くせりの食生活を送ることができました。この場を借りてお礼申し上げます。


気になる旅行経費は?

それでは最後に今回の旅行の会計報告です。

まず往復交通費(電車代+バス代)が12420円。

魚突き道具や米・着替えなど荷物の往復送料が4058円。

自炊宿の宿泊費が4500円×17泊で73500円。

ネット通販で取り寄せた完全防水絆創膏が838円。

あと旅行中に購入した食材費は細かく集計していませんが、どんなに多くても8000円くらいでしょう。

というわけで合計98816円。

それから、持参した米や干し野菜の費用も加えれば全部で10万円余りといったところでしょうか。

まあ、17泊18日の日程でこれだけのエンターテインメントと極上の料理を味わうことができたことを思えば安いもの———と、貧乏性の僕でも心から納得できる旅行となりました。

それでは、このあたりで日本海プチ自給自足生活のレポートを終わります。

なお、今回の旅行中にGoProで撮りためた水中映像を編集したドキュメンタリー動画を近日中に完成させ、こちらのYouTubeチャンネルで公開する予定です。

そちらもぜひお楽しみに。


追伸:ドキュメンタリーが完成しました。視聴はこちらから。


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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。ただいま50歳。

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