実家に短期滞在して人生を考えた

2023/08/29

リタイア生活

ここしばらくの間、両親の住む実家に滞在しています。

前にも書いたことがありますが、僕の実家は瀬戸内海に面した四国のとある小都市にあり、70代後半の両親が一戸建ての持ち家で暮らしています。

僕はサラリーマン時代から年1回ほどの頻度で瀬戸大橋を渡り、この実家に帰省していたのですが、3年前に早期リタイアしてからはヒマがあるので年2~3回くらい帰省するようになりました。

今年もお盆のラッシュを避けて8月18日に帰省したのですが、瀬戸内の島や太平洋岸に足を延ばして釣りや魚突きを楽しんでいるうちにどんどん時が流れ、はやくも今日で滞在12日目になってしまいました。

ここまでくると帰省というより短期滞在といった感じ。というわけで今回は僕のプチ実家暮らしの模様を報告します。


夏休みの小学生のような生活

たまに過ごす実家というのは本当に快適です。

食事は母親が3食作ってくれるから超らくちん。しかも食材は、父親が畑で栽培した無農薬の野菜や果物だから、めちゃくちゃ健康的。

僕はといえば、朝から晩までリビングに寝転んで本を読んだり、父親の車を借りて海に出かけたり、フェリーで瀬戸内の離島へ渡って海水浴したり、まるで夏休み中の小学生のような生活です。

魚を捕まえて帰宅しても、疲れた体に鞭打って調理する必要はありません。「これ、晩御飯のおかずにして」と言って母親に手渡しておくと、立派な刺し身や煮つけにしてくれます。



いや、ホント天国。

こんなことを書いていると、「いいトシして老親に甘えてんじゃねえよ」と批判されそうですが、まさにその通りだから言い訳もなにもできません。本当に老親に甘え切った日々を満喫しております。

考えてみると、田舎に実家があって両親が健在な人って、もうそれだけで特権階級の一員みたいなもんだと思います。民宿などを利用してこういう生活を送ろうと思ったら、1週間で何万円も飛んでいくでしょうから。


妻は「しばらくそっちにいていいよ」

それから、僕にはもう一つ恵まれた部分があります。

こんなふうに実家に何日間も滞在していたら、普通、都会の自宅に残している妻や子供から「いつまで家を空けてるつもりだよ…」と文句が来そうなものですが、うちに限ってその心配はありません。

妻からは昨日も「しばらくそっちにいていいよ」というメッセージが届きました。恐らく、ここ3年ほど早期リタイアした僕が四六時中家にいたものだから、久しぶりに家に夫がいない日常が新鮮なのでしょう。僕が担当している家事を肩代わりしてもおつりがくるくらいの快適さを感じているようです。

子供たちもすでに中高生なので、この夏は部活や塾の夏期講習で忙しく、僕がどこで何をしているかなんて気にも留めていない様子。むしろ、親父の不在は子供にとって歓迎すべきことなのでしょう。

てなわけで誰に遠慮することもなく、気ままなプチ実家暮らしを堪能できているわけです。


この環境、あと何年続くのか

ただ、こんな生活を送りながら僕もいろいろ考えました。

こういう幸せな環境ってあとどのくらい持続するんだろう、と。

後期高齢者の父親は現在、家から数キロ離れた場所にある畑へ車で通いながら野菜を育てているのですが、体力は年々衰え、最近は「腰が痛い」「股関節が痛い」とよくぼやくようになりました。

僕が旅行に連れ出そうとしても「途中でしんどくなるのが心配だ」と言って遠出しようとはしません。

そろそろ運転免許の返納も本気で考えなくてはいけない年齢。そうなると野菜作りもできなくなるから、一気に老け込んでしまうような気がします。

同じく後期高齢者となった母親は、父親よりはまだ多少元気なものの、体力や思考力の衰えは確実に進んでいます。

帰省中の僕がここまで老親に甘えきった生活ができるのも、せいぜいあと数年。その先は甘えるどころか介護が必要な年齢になります。



思えば今から10年前、僕の祖父母4人の中で最後まで健在だった母方の祖母が92歳で他界しました。それから考えると、あと十数年で今度は僕の両親が人生を終える時期がやってきます。そして、その次は僕自身の番。さらにその次は僕の子供たちの番……。

こう考えると人生って本当に短い。一族みんなで行列を作って旅立つ順番を待っているようなもの。その待ち時間を無為に過ごしていたら、あっと言う間に名もなき先祖の一人になってしまうでしょう。

僕の人生でやり残していることは何か、残りの人生で優先的に取り組むべきことは何か、40代の今しかできないことは何か。

せっかく早期リタイアして自由な時間を手に入れているのだから、こういうことを常に意識して過ごさなければ、と改めて感じた次第です。


さて、このプチ実家暮らし、あとどれくらい続けようか。

このまま筋トレやキックボクシング教室をサボり続けていたら体形が緩んできそうな気もするので、9月に入ったら自宅に戻ろうかな。


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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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