友人と金のインゴットを買いに行った話

2024/01/21

資産運用

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このブログの読者には資産運用に興味を持っている方が多いと思いますが、金(ゴールド)に投資しているという人はいらっしゃるでしょうか?

実はつい最近、G君という僕のFIRE仲間が純金のインゴットを買いに貴金属店へ行くというので、僕も同行して取引の一部始終を見学させてもらいました。


にぶく輝く黄金の塊と札束が交換される「血沸き肉躍る瞬間」を目撃するのは、もちろん人生初の体験。せっかくなので、その模様をレポートさせてもらいます。


出発点は金融資産課への心配

そもそものきっかけは、僕とG君のこんな雑談でした。

僕「こないだの日経新聞に記事が出ていたけど、金融資産をたくさん持ってる人って、将来、収入が少なくても社会保障負担を増やされる可能性があるらしいよ。これって事実上の資産課税だと思うんだけど、ひどくない?」

G君「日本はこれだけ借金まみれなんだから、政府はそのうちきっと社会保障の負担増だけじゃなくて、ホンモノの金融資産税を導入してくると思うよ。そのためのマイナンバー制度なんだから。ノー天気な国民が気づいたときには、貯金から株から保有資産はすべて把握されていてバサッと税金かけられるんだよ」

ひええ~。

新聞記者時代に知り合った元大手企業勤務のG君(50代)は、長年、株式投資をしているだけあって、「にわか投資家」の僕なんかより世の中を見る目がずっと鋭い。

ちなみに、僕が先日このブログで公開した〈資産課税という悪夢が現実化し始めた〉という記事も、彼との会話からインスピレーションを受けて執筆したものです。

で、僕はG君に尋ねました。

どうすれば、金融資産課税が導入されたときのダメージを減らせると思う?

「やっぱり、資産の一部を現物に替えとくしかないんじゃない? でも不動産は固定資産税がかかるから、金の方がいいだろうな」

う~ん、やはりそうか。もっとも、こう言うG君にしても金投資については門外漢で、具体的な資産課税対策はまだ何もやってないという話でした。

それから数日後、G君から連絡がありました。

G君「オレ、金のインゴット買うことにしたよ」

僕「え、インゴット?」

G君「そう、試しにちょっとだけ」

このブログを継続的に読んでくれている方はご存じだと思いますが、この僕も一応、資産分散の一環として金に投資しています。ただ、それはネット証券の口座内で金を保有しているだけで、インゴットを手元に持っているわけではありません。

僕「インゴットなんて買ったら保管が大変でしょ? ネット証券の口座で持っとく方が楽だと思うけど」

G君「いやいや、それじゃ資産課税対策にならないかもしれないから」

ここでG君がしてくれた話をざっくり要約して言うとこんな感じです。


将来、もし本当に政府が資産課税を導入した場合、その対象を預貯金・株式・投資信託といった金融資産に限定するとは限らない。国民が持っている貴金属や美術品にだって課税してくる可能性は大いにある。

もしそうなったら、証券口座で保有している金の存在なんてマイナンバーを通じて簡単に把握されてしまう。だから、対人販売の店でインゴットを買っておいた方が安全なんだ――――。


なるほど。要するにゴールドのタンス預金というわけか。

「面白そうだからオレも一緒に連れてってよ。買うところを見てみたい」

こうして、2024年1月中旬、僕はG君と一緒にとある街の日本マテリアルの支店を訪問することになりました。


いざ、貴金属店へ

オフィス街のビルの1階に入っていたその店は、思っていたよりこじんまりした地味な外観。ただ、入口には本日の金1gあたりの小売価格と買取価格が掲示されていて、独特のオーラを放っていました。

ちなみに、日々変動するこれらの価格は同社HPでも毎日公開されています。僕らが訪れた日はこんな感じでした。消費税込みの数字です。



この小売価格と買取価格の差が、いわゆるスプレッドというやつです。


さて、店内には頑丈そうな透明アクリル板で仕切られた窓口が一つ。そこにスーツ姿の若い男性店員がいて僕たちの相手をしてくれました。

そのとき、たまたま他の客が誰もいなかったので、G君は「これ幸い」とばかりにインゴット売買にまつわる様々な疑問を根掘り葉掘り尋ねました。店員さんはとても優しく、懇切丁寧に答えてくれます。


インゴット売買の基本

G君と店員さんのやりとりを聞きながら、G君はこの数日間で金投資についてかなり勉強したな、と感じました。2人の会話を傍らで聞いていると、僕にも大体以下のようなことがわかりました。


・日本マテリアルで販売している金のインゴットには1g、5g、10g、20g、50g、100g、200g……といった様々なサイズがある。

・このうち1g~50gのインゴットには販売手数料(バーチャージ)がかかる。この手数料はサイズが大きくなるほど安くなり、50gインゴットだと1枚あたり1000円(税別)になる。

・100g以上のインゴットには販売手数料がかからない。(※何g以上なら手数料がゼロになるかは取扱業者によって違う。だから、よりコストを抑えて購入しようと思えば、各社の手数料設定やスプレッドの大きさを総合的に比較する必要がある。)

・インゴットを購入するときは、店側が用意した書類に住所や氏名を記入する必要がある。ただし、これらの記録は店側が保管するためのもので、この情報を税務署など役所へ提出するわけではない。

・購入額が100万円未満ならその場で現金で支払ってもいいが、100万円以上になる場合は銀行振込で支払わなければいけない。これはマネーロンダリングなどを防止するための業界の取り決めである。

・購入したインゴットを売却するときは手数料はかからず、その日の買取価格で買い取ってもらうことができる。ただし、売却時は顔写真付きの身分証明書を提示する必要がある。

・売却で得た利益(購入価格との差額)は、売った人自身が後日、税務申告することになる。株取引と違って店側が源泉徴収するようなことはない。ただし、1日の売却額が200万円以上になった場合は、店側から税務署へ取引情報を報告することが義務付けられている。


いや~、これは勉強になった。ついてきた甲斐があったというものです。

ちなみに、金の売却益は税法上、譲渡所得という扱いになります。譲渡所得には年間50万円の特別控除が設けられているので、1年あたりの売却益が50万円を超えないように少しずつ売っていけば、基本的に税金はかかりません。

だから売却のことを考えたら、1kgとかの大型インゴットではなく、ある程度ばら売りに適した小サイズを選んだ方がいいみたいです。もっとも、あまり小さすぎると今度は手数料負けしてしまうというジレンマもありますが。


いよいよ受け渡しの瞬間

で、こうした情報を吟味したうえでG君が下した結論は、

「今日のところは50gのインゴットを1枚だけ買う」

というものでした。

店員さんは素早く値段をはじき出します。

まず本体価格は、本日の小売価格10684円(税込み)×50g=534200円

そしてバーチャージが、1000円+消費税100円=1100円

あわせて53万5300円なり!

G君はうなずいて、差し出された用紙に住所氏名を記入し、カバンの中から札束を取り出しました。

こうしてめでたく商談成立。

アクリル板の受渡口を通して、透明なプラスチックケースに納められたインゴットがG君に手渡されました。

おお、有史以来数千年にわたって人類を虜にしてきたこの妖しい輝き!




もちろん、この僕もその場でインゴットを持たせてもらって、山吹色の光沢とずっしりとした重量感を堪能させていただきました。

G君が50gインゴットを選んだ理由

さて、ここまで読んでくれた皆さんの中には「なぜ手数料ゼロの100gインゴットにしなかったの?」と思った方もいるでしょう。

僕もそう思いました。G君の資金力を考えたら100gでも十分買えるはずだからです。

その疑問をぶつけると、G君はこう言いました。


オレが金を買う目的はローコストで効率よく投資することじゃない。あくまで将来の金融資産課税導入に備えたリスクヘッジなんだから、税務署に「こいつ金を買ってやがるな」と目を付けられるリスクを減らすことを最優先することにした。

いまの相場で100gのインゴットを買ったら100万円以上の買い物になるから、銀行振込が必要になるだろ。将来のことを考えたら、オレの銀行口座に金を買ったという記録が残るのは何となく気持ち悪いんだよ。


なるほど。

G君のこの警戒心がどこまで的を得たものなのかどうか、僕には判断がつきかねますが、増税に熱心な現政権やマイナンバーをめぐる昨今の動き(詳しくはこちら)を見ていると、彼の心配はなんとなく理解できます。


僕もインゴット欲しい

さて、今回の取引の一部始終を見学させてもらった僕の感想を言わせてもらうとこんな感じです。


金インゴット投資って意外と手軽で楽しそうじゃないか!


金融資産課税対策としての効果はいざ知らず、この輝きと重量感はそれだけで人を興奮させる魔力があります。

僕が去年書いた連載〈八つ墓村埋蔵金伝説の研究〉を読んでくれた方はご存じだと思いますが、僕はかなりの埋蔵金伝説マニアです。「宝島」とか「ソロモン王の洞窟」とか「日輪の遺産」とかいった宝探し小説のファンでもあります。

だからなのかどうなのか、G君が買ったインゴットを掌にのせて輝きを鑑賞させてもらっていると、自分が宝探し小説の主人公になったような気がして、「ウヒャヒャヒャ……」と含み笑いがこみあげてきました。

正直、僕もインゴットが欲しい。

でも、今の金価格はどう考えても高すぎるような気がして、なかなか買う決心がつきません。

もし仮に小売価格が1g10000円を割ったら、手数料がかからない100gインゴットの購入を検討してみたいと思います。


それから最後に、今回の記事を書くにあたって金投資を勉強するために読んだ本を1冊紹介します。高橋ダンさんの「ゴールド投資」(2021年)。インゴットをはじめとする金の現物投資に限らず、金ETF、金鉱株、金鉱株ETFなどについてもわかりやすく解説してくれています。



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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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