大変遅くなってしまいましたが、今回は8月後半に実施した10泊11日の南の島旅行(2025年8月19~29日)のレポートです。
ご存じの通り、僕は2020年にFIREして以来、毎年夏が来るたびに各地の海を旅しながら魚突き三昧の日々を送っているのですが、今年は以前の記事で予告した通り、日本海と南の島の2本立てで旅を楽しむことにしました。
日本海編ではカサゴやカワハギといった日本人に馴染み深い魚を味わい尽くし、南の島編では透明度の高い海を鑑賞しつつ大物を狙うという趣向です。
日本海編の顛末はすでにこのブログで報告していますので、今回は南の島編というわけです。
(日本海編はこちら)
ただし、この南の島旅行については、帰宅後にかなり詳細なドキュメンタリー動画を作って先日YouTubeで公開しました。
(動画視聴はこちらから)
この動画の中で、この島でどんな獲物を仕留めたか、どんな料理を作ったか、といったことをあらかた説明してしまったので、もう書くことがあまり残っていないというのが正直なところです。
なので、ブログでの報告はサラッとやらせていただくことにします。
願ったりかなったりの環境
今回僕が滞在した南の島は、昨年の夏に1カ月滞在した島とはまた別の九州近海の島です。
観光地として有名な石垣島や西表島ほど南には位置していないので、カラフルなサンゴ礁や熱帯魚はあまり見かけません。
それだけに観光客の姿もほとんどなく、海の中で出会う魚たちも「きらびやか」というより「おいしそう」と思えるものの比率が高めです。
人の少ない海で思う存分魚を突いて、自給自足生活を送ってみたいと考えている僕にとっては、願ったりかなったりの環境でした。
ここで僕が魚突きをしたポイントは2カ所。
ひとつは、僕が泊まった自炊宿の真ん前にある砂浜の沖合30mくらいのところに設置されたテトラポッド。
これが格好の漁礁となって、驚くほど多種多様な魚たちが住みついていました。
ざっと挙げてみると、メジナ、イスズミ、ニザダイ、ハマフエフキ、イシダイ、イシガキダイ、オジサン、クロホシフエダイ、ブダイ、アオブダイ…といった感じ。
島に来た当初は台風の影響で海が荒れ気味だったこともあり、内湾の奥に位置するこちらのテトラが僕の主戦場になりました。
こちら↑はここで仕留めたクロホシフエダイ。なかなか美味しい魚でした。
(※ただし、世の中にはこの魚によく似た姿形のイッテンフエダイという毒魚がいるらしいので、食べるときは慎重に見極めることが必要です。ご注意下さい)
あまりに魚種が豊富なので、「これならわざわざ岩場まで出かけなくても、ここで十分食料調達できるじゃないか」と思ったくらいです。
人生初の魚、ノミノクチ
とはいえ、せっかく南の島までやってきて、人工物であるテトラの周りだけで魚突きをするというのでは、あまりにも夢がない。
なので台風が去って海が穏やかになると、宿のご主人に自転車を借りて少し離れた岩場へ通うようになりました。
これが第2のポイントです。
ここは外洋に面していることもあって透明度が高く、ゴツゴツした岩が多く、さきほどのポイント以上に魚影が濃い。
特に、テトラでは姿を見かけなかったハタの仲間(アカハタ、スジアラ、クエなど)が結構泳いでいて心躍りました。
もちろん僕の未熟なスキルでは、こういう高級魚を突くのはなかなか難しい。
それでも頑張ってトライを繰り返しているうちに、とうとう大物を仕留めることに成功しました。
この魚、なんだかわかりますか?
ある程度、魚のことを知っている方なら、「高級魚のキジハタ(アコウ)だ!」と思うでしょう。
僕もずっとキジハタだと思っていて、SNSにもそうポストしていたのですが、あとで詳しい人に写真を見てもらったら、キジハタと同じアカハタ属の「ノミノクチ」という魚であることが判明しました。
僕にとっては人生で初めて出会う魚です。
ちなみに正真正銘のキジハタはこんな姿(この夏、日本海で突いたやつ)↓
とてもよく似ていますが、背中の黒い斑点がキジハタは1カ所しかないのに対し、ノミノクチは3カ所くらいあるというのが見分けるポイントらしいです。
また、全身を覆う赤い斑点の色は、キジハタの方が鮮やかな印象ですね。
とはいえ、同じハタの仲間であり近縁種(?)なわけだから、ノミノクチも美味しくないはずがない。
実際、期待通りの味わいでした。
どうですか、この芸術的な姿造り!
ただし食卓を囲む仲間が誰もいない一人旅なので、自炊宿で一人さみしく祝杯をあげたわけですが。
まあ、それはそれで味わい深い至福の時間でした。
危険生物オニカサゴ
さて、初めての魚としてはこのほか、「オニカサゴ」というカサゴの仲間も仕留めました。
ネットで調べると、こいつは美味しいことは美味しいけど、背ビレ、胸ビレ、尻ビレなど体中を猛毒の棘で武装しているとのこと。
まあ、オコゼのような危険生物だということですね。
なので慎重に棘を取り除いてから煮付けにしました。
ウツボ捕獲に成功、そのサイズは?
そして次は、今回の旅の大きな目的であるウツボ狩りです。
以前、このブログで書いたことがありますが、僕は30代のときに遭遇したある事件をきっかけに「いつか1m級のウツボを捕獲してやる」という野望を持つようになりました。
(詳しくはこちらをご覧下さい)
しかし、それ以来10年余りにわたって挑戦を繰り返してきたにも関わらず、これまでに捕獲したウツボのサイズは最大で70cm。
1m級の大物に出会えないまま僕は年齢を重ね、とうとう50代に突入してしまいました。
その見果てぬ夢をこの島で達成しようというわけです。
そのために、自ら考案して改良を重ねてきた「ウツボ仕掛け」を今回の旅に持参しました。
本来は、今回の記事でこのウツボ捕獲作戦の顛末を詳述すべきところなんですが、前述の通り、すでに制作したドキュメンタリー動画で余すことなくレポートしてしまったので、ここで繰り返すのは避けることにします。
結論だけ言うと、この島に来て8日目の夕方、僕はこれまでにない大ウツボを捕獲することに成功しました。
その際、この写真をSNSに投稿したところ、多くの方々から
「これは大物!」
「サイズが気になる!」
「ゆうに1m超えてそう!」
といった声をいただきました。
僕も捕獲した瞬間は「これは目標を達成したかも」という手応えを感じていました。
ところが…
宿に戻ってサイズを計測してみると…
なんと81cmでした。
いや、もちろん僕にとっては自己新記録なんですよ。
だけど、目標の1mには遠く及ばないサイズ。
正直、「あれ、こんなもんか…」と思ってしまいました。
こう書くと読者のみなさんに「どんな目測してたんだよ」とあきれられるかもしれませんが、海の中でこのウツボと対峙したときは本当に「こいつは1mありそうだぞ」と思っていたんです。
以前、70cmのウツボを捕獲したときもそうだったのですが、水中で対峙する相手というのは本当に大きく見えてしまうものなんです。
ましてや、その相手に恐怖心を抱いている場合は…
というわけで、またしても目標達成はなりませんでした。
しかし、それでもこのウツボは1日で食べきれない量の食糧を僕にもたらしてくれました。
大部分は切り身にしてコンロの火で炙り、その日のうちに食べきれない分は天日干しにして保存食料に。
そして、この島で11日間の自給自足生活を終えた後、ウツボの干物の一部を自宅に持ち帰ったところ、妻も子供も「硬いけど美味しい」と絶賛してくれました。
(※僕のお土産を家族が絶賛してくれたのは多分これが初めてです)
こうして今年の南の島旅行も、僕にとって非常に思い出深い旅となりました。
50歳という人生の節目に、仕事のことを一切考えずにこんな体験ができるなんて、つくづく僕は幸せ者だと思います。
ああ、FIREして良かった。
旅行費用まとめ
それでは最後に今回の旅行経費を報告して締めくくりとします。
宿泊費 50000円 ※5000円×10泊
往復交通費 29000円 ※電車・飛行機・バス・船
荷物輸送費 5000円 ※ヤスやクーラーボックスを宿へ送る費用
米・野菜など 5000円
その他 20000円 ※往復中の外食代、備品代など
合計 109000円
今回の南の島旅行のドキュメンタリー動画はこちら
ドキュメンタリーの撮影裏話を語ったインタビューはこちら
僕とウツボの因縁をつづった「ウツボ戦記」はこちら