リタイア後の投資デビューはアリかナシか?

2023/05/09

資産運用

(※この記事はアフィリエイト広告を掲載しています)


中高年向けのマネー本などを読んでいると、「現役時代に投資をやったことがない人がリタイア後に退職金で投資デビューするのは危険だから絶対やめましょう」というアドバイスをよく目にします。

その理由を読むと「なるほど」と感じるのですが、個人的には、リタイア後の投資デビューが「絶対NG」とまでは言えないんじゃないかと考えています。

確かに向き不向きはありますが、ある程度勉強する気持ちがあって、どういうところに「落とし穴」があるのかを理解できる人なら、リタイア後に投資を始めてもいい。むしろ始めたほうがいいと思うのです。


なぜなら、僕自身がそういう始め方だったから。

45歳で早期退職するまで投資経験はまったくありませんでしたが、退職直前ににわか勉強をしてリタイアを機にインデックス投資を始めました。

(この辺りの経緯はこちらに詳しく書いています)

それからまだ3年しか経っていないので「やってよかった」とか「やるべきじゃなかった」とか結論を出すのは時期尚早かもしれないけど、少なくとも今のところ、人生後半の資産計画をよりよくするという意味でも、視野を広げるという意味でも、投資を始めて正解だった感じています。

というわけで今回は、現役時代に投資未経験だった人が、リタイア後にどう投資に向き合うべきかを考えてみます。

 

 なぜ退職後デビューが危険なのか

まず、退職後の投資デビューが好ましくないと言われている主な理由を見てみましょう。多くの書籍の説明は大体こんな感じです。 


・投資未経験者は金融リテラシーが低いうえ、退職金で財布だけは膨れ上がっているから、銀行や証券会社の営業マンのカモにされてボッタクリ商品をつかまされやすい。

・まともな金融商品であっても値動きに動揺して不合理な売買をしやすい。

・自分が取っているリスクの大きさを実感できず、過剰な金額を投資につぎこんでしまいやすい。

・若いうちの投資の失敗は働いて取り戻せるけど、リタイア後の失敗は取り戻せないから致命傷になる。(だから、若いうちから投資を経験し、少額の失敗を重ねながら金融リテラシーを育てておくべきだ――――とつながる)

 

なるほど。どれもこれも全くその通りだと思います。

特に、リタイア後の投資の失敗は致命傷になるというのは非常に重要な指摘です。現役世代に投資の大切さを伝える説明としては申し分ないでしょう。

ただ、すでに定年退職や早期リタイアをしてしまった人たちはこれを見て、「ああ、俺は現役時代に投資をしてなかったから、今後もやらないほうがいいのか」と考えるべきでしょうか。僕は必ずしもそうは思いません。

上記の項目に沿って言えば、ボッタクリ商品を避け、不合理な売買をせず、投じる金額を適正範囲内に抑えることができるなら、リタイア後であっても致命傷は避けられるわけです。あくまで個人的な意見ですが、これってインデックス投資なら未経験者でも案外実現可能じゃないでしょうか。

投資に向く人 向かない人 

もちろん、冒頭で述べたように向き不向きはあります。

ものごとを一から勉強することが嫌いな人、文章を読むのが嫌いな人、インターネットが使えない人、お金にルーズな人、誘惑に弱い人、ギャンブルにのめりこみやすい人、理屈より感情に流されやすい人……などは最初からやめておいた方がいいと思います。

こういう方々はインデックス投資をやろうと思っていても、途中で目移りしてボッタクリ商品をつかまされたり、ギャンブル性の高い行動に走ったり、自分で決めた投資の上限額を守れなくなったりして、致命傷を負ってしまう可能性が高いからです。

「俺はどうかなあ…」と迷う人は、一つの目安として、自分が現役時代にしっかりお金を貯めることができたかどうかを振り返ってみてください。

「ぜんぜん貯められなかったよ。まとまったお金は退職金くらいしかねーな」という場合は投資に手を出さないほうが無難です。

そういう方は「誘惑に弱い」「感情に流されやすい」といった性格の持ち主である可能性が高いし、そもそも、そんな経済状況ならリスクを取るべきじゃない。退職金は定期預金や国債で無難に運用し、再雇用やアルバイトで堅実に稼ぎ続けたほうがいいと思います。

ここから先はそうじゃない人――――勉強も文章を読むことも嫌いじゃないし、インターネットも(ネット証券の口座を作れる程度に)使えるし、お金にきっちりしているし、誘惑に強くて感情に流されないという自信があるし、現役時代にまとまったお金を貯めることができたけど、投資だけは今までやったことがないという人――――に向けて書きます。

あなたがあと20年以上生きるつもりなら、今からでもインデックス投資のことを勉強して実践する価値は十分あるんじゃないでしょうか。

 退職後デビュー組がやるべきこと

では、具体的に何をすればいいのか。

僕の場合は早期退職前の約半年間、図書館で資産運用の本を読み漁ったり、投資系のYouTube動画を手当たり次第に視聴したりして「やっぱり全世界株や米国株に広く浅く投資するインデックス投資が一番良さそうだ」という結論に達しました。(詳しくはこちら

これから投資を勉強しようという方は僕と同じ手順を踏んでもいいし、最初からインデックス投資に絞って情報収集してもいいと思います。

(※ただし、よく言われているように、銀行や証券会社の窓口に行って投資の相談をするのだけはやめたほうがいいでしょう。)

そして、学んだ知識をもとに、どこの証券会社を使うか、どんなインデックスファンド(インデックス型投資信託)を買うか、積み立てで買うか一括で買うか、自分の資産の何割くらいを投じるべきか、といった方針をじっくり考えてみてください。

ちなみに、投資の世界には「明らかな間違い」はありますが、「絶対的な正解」はないと言われています。だから、あとは各自で正解を探してねということになりますが、それだと面白くないので、参考までに「僕の考える正解」を書いておきます。

(ただし、僕は投資歴3年の初心者です。あくまでサンプルだと思って見てください。念のため)



 ①どの証券会社を使うか

〈答え〉SBI証券か楽天証券

〈理由〉各種の手数料が安くて、クレジットカードと連動したポイントサービスがあって、規模が大きいから。ちなみに僕は両方使っています。

 

②どんなインデックスファンドを買うか

〈答え〉以下のいずれか。


〈理由〉全世界あるいは先進国あるいは米国の株式に広く分散投資するインデックスファンドのうち、売買手数料がかからず、ランニングコスト(信託報酬)が安く、規模(純資産額)が大きくて安定感があるものをピックアップしました。

ちなみに、僕が信託報酬が安いと感じる目安はおおむね年0.1%以下。規模が大きいと感じる目安は大体1000億円以上です。

正直、この面々ならどれを買ってもOKだと思いますが、僕は好みでeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)とたわらノーロード先進国株式を保有しています。

それから、インデックスファンドを購入する際には、分配金の扱いを「受取型」にするか「再投資型」にするか選択を求められるので、迷わず「再投資型」を選ぶようにします。詳しい説明は省きますが、なるべく税金を取られないようにするためです。

 ③積み立てで買うか一括で買うか

〈答え〉どっちでもいい。

〈理由〉両方とも一長一短があり、最終的にどっちが得するかは運次第だから。僕の場合は最初にある程度ドカッと一括で買い、その後は積み立てを続けています。

なお、購入したインデックスファンドは、少なくとも今後20年くらいは換金せずに運用し続けようと固く誓っています。

欲しいものができたからすぐ換金する、価格が上がったから利益確定のために換金する、下落が続きそうだから換金する、といった行動は一切しないつもりです。特に「暴落時に狼狽して売る」という行為は、初心者の典型的な失敗パターンだと言われているので肝に銘じています。インデックス投資の極意はとにかく長期保有です。

 ④資産の何割くらいを投じるか

〈答え〉とりあえず1/2くらいまで。

〈理由〉これは人によって違います。上記の答えは僕の資産総額や生活費、今後予想される大口支出などをもとに概算した割合です。仮に大暴落でインデックスファンドの価値が半減し、102030年と低迷が続いたとしても、これくらいの預金を残しておけば、生活を切り詰めることで人生を乗り切ることができるだろう、というラインです。

なので、人によっては1/4とか1/5とかいった割合に抑える必要があるでしょう。このラインの見極めは大切です。何度も言いますが、リタイア後の投資の失敗は労働で挽回できませんから。

 

以上が現時点の僕の答えです。参考になりましたでしょうか。

損しても笑い飛ばせる範囲内で

一つ付け加えておくと、僕も含めて投資経験の乏しい人は、とにかく地雷を踏まないこと(危ない商品・変な商品に手を出さないこと)が大事です。自分の目利きに自信がない人は「インデックスファンド以外は見向きもしない」という気持ちでいるくらいが丁度いいかと思います。

それからもう一つ、インデックス投資は優れた投資法だと思いますが、結局は運まかせであることに変わりありません。いくら世界中に分散投資していても世界中の株が暴落すれば損します。再び回復すると信じて待ち続けることができるかどうかという話です。




過去の統計を見る限り可能性は低いと思いますが、最悪、回復しないうちに自分の寿命が尽きてしまうこともあり得ます。そんな場合でも「いや~、うまくいかなかったな~」と笑い飛ばして旅立つ自信がないなら、投資額は少なめにしておきましょう。

それでは最後に、僕が資産運用の勉強をする中で「役に立ったな」と感じた本を2冊紹介して終わりにします。




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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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