格言で学ぶ「幸せの賞味期限」~車・家・結婚……最も長続きするのは?

2023/10/24

リタイア生活

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今日は僕の好きな格言を紹介します。

その昔、芥川賞作家の開高健さんが中国の古いことわざとして著書で紹介した言葉なのですが、現代を生きるすべてのサラリーマン、特にFIREに憧れている方々にぜひ味わってほしい格言です。


一時間、幸せになりたければ酒を飲みなさい。

三日間、幸せになりたければ結婚しなさい。

八日間、幸せになりたければ豚を殺して食べなさい。

永遠に、幸せになりたければ釣りを覚えなさい。

なぜ、僕はこの言葉が好きなのか。

釣り好きだから?

もちろんそれも大いにありますが、それだけじゃありません。この格言には「FIREの思想」に通じるものがあると感じるからです。


人生における最高の贅沢とは

ここで少し補足しておくと、飼育している豚を殺して1頭丸ごと自分たちで食べるというのは、昔の庶民にとってとてつもなく贅沢(ぜいたく)な行為でした。




つまり、この格言は「酒とか、結婚とか、贅沢なごちそうとか、世間一般で言われている幸せなんて実は賞味期限が短いんだよ。本当に長続きする幸せってのは、心の底から夢中になれる趣味を持つことなんだよ」と教えてくれているわけです。

(結婚がもたらす幸せの賞味期限が3日間だと言い切るのは、さすがにあんまりだという気もしますが……)

さらに言えば、趣味に熱中するには時間が必要です。だから、この格言は間接的に「趣味に費す時間があることの幸せ」をも説いている、と僕は勝手に解釈しています。

これでおわかりでしょう。

この格言は、昨今インターネット上で飛び交っているFIREへの否定的な意見、すなわち「会社を辞めて、節約ばかり重ねて、贅沢らしい贅沢もできない人生なんて何が楽しいの?」という疑問に対する見事な回答になっているのです。

そう、人生における最高の贅沢とは、あり余るほどの時間を手に入れて、自分が本当にやりたいことに心ゆくまで没頭すること。僕みたいなドロップアウト人間からすれば、まさに「我が意を得たり」と膝を打ってしまうわけです。


これはまさにFIRE民の価値観

ちなみに、ネットでいろいろ調べてみると、この格言には微妙に言い回しの違う様々なバージョンがあることがわかります。例えばこんな感じ。


一日幸福でいたかったら床屋に行きなさい。

一週間幸福でいたかったら結婚しなさい。

一カ月幸福でいたかったら良い馬を買いなさい。

一年幸福でいたかったら新しい家を建てなさい。

一生幸福でいたかったら釣りを覚えなさい。


ここでいう「良い馬」というのは、今ならさしずめ高級車でしょう。てことは、この格言にのっとって幸せの賞味期限を図式化するとこうなります。


 おしゃれ < 結婚 < 高級車 < 新築の家 < 趣味


おお、これってまさにFIREの民の価値観じゃないですか!

(結婚の扱いについては異論も出そうですが…)

さらに、冒頭の開高健バージョンも合体させるとこうなります。


 酒 < おしゃれ < 結婚 < ごちそう < 高級車 < 新築の家 < 趣味


おおおお、これはもう完璧!

さすがは中国4000年の歴史。はるかいにしえの時代にこの境地に到達していた賢者がいたとは驚きです。


……と感心していたら、どうやらこの格言、実は中国じゃなくてヨーロッパ起源なんじゃないかという説が有力みたいです。

(※自分でちゃんと調べたことがないので真偽のほどはよくわかりません。興味がある方はこちらをご参照下さい。)


FIREしたら時間を持て余す?

まあ、このさい起源はどこでもいいとして、話をFIREに戻します。

そういえば、昨今流行ったFIRE批判の中に「そんなに早く仕事辞めちゃったら、時間を持て余して逆に不幸になっちゃうんじゃないの?」というのがありました。

でも、それはその人次第です。

少なくとも3年前に早期退職した僕の場合、筋トレをしたり、投資をしたり、ミステリー小説を読んだり、魚突きをしたり、ブログを書いたりしていたら、時間を持て余すことなんてまずありません。

要は、この格言の「釣り」に相当するものがあるかどうかです。

それを持ってない人は無理してFIREを目指さなくてもいいし、それが見つかるまでFIREを延期するという選択肢もあるかと思います。また、「夢中になれるもの=仕事」だという人は、そもそもFIREする必要なんてないでしょう。

でも、「俺は早期リタイアしてこんな暮らしを実現してみたい」「あり余る時間を使って〇〇と△△に没頭してみたい」といった願望があるのなら、世間の声なんか恐れず堂々とFIREを目指せばいい。

なんたって今回紹介した「幸せの賞味期限」は、いにしえの賢者も認めた究極の価値観なんですから。


〈補足1〉今回の記事では「夢中になれるもの」のありがたさを強調しましたが、僕は別に「それがFIREの必須条件」と考えているわけではありません。「とにかく仕事がつらい、早く楽になりたい」というのだって立派な理由です。それが本当に苦痛な状態であるのなら、「夢中になれるもの」があろうがなかろうがFIREを達成する価値は十分あると思います。

〈補足2〉この格言が紹介されているのは開高さんの「オーパ!」という書籍です。




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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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