〈洋上の桃源郷〉小宝島滞在記②(魚突き編)

2023/07/28

リタイア生活

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それではいよいよ、コバルトブルーの海で魚突きだ!



とはいえ、ただやみくもに海に飛び込んで魚を仕留められるわけではありません。特に初めての土地で魚突きに挑む際は、じっくりポイントを選ぶ必要があります。

ポイント選びで重要なのはこの3つ。

①魚が沢山いる

②海への出入りが容易である

③波や流れが強すぎない

このうち①に関していうと、小宝島はすべての海岸が条件を満たしていると考えていいでしょう。

一般的に海水浴というと真っ白な砂浜をイメージする方が多いと思いますが、食材確保の観点からいうと、砂地ばかりのビーチにはあまり獲物となる生き物がいません。

それよりはごつごつした岩場、それも起伏が激しく、海中に巨岩がゴロゴロしているような荒磯の方が多くの魚に出会えます。その意味では、小宝島は島全体が最高のフィールドだといっても過言ではありません。


次に②の「海への出入りが容易である」ですが、これも小宝島は恵まれています。

いくら理想的な荒磯があっても、そこが断崖絶壁のような場所だと容易に近づけません。その点、この島はサンゴ礁が隆起してできた島なので、岩がトゲトゲして歩きにくい面はありますが、比較的なだらかな海岸地形になっています。


だから、小宝島で魚突きをする場合、最も注意を払わなければならない条件は③の「波や流れが強すぎない」です。

当然のことながら、この島の海岸には監視員やライフセーバーは1人もいません。海水浴客に会うことすらほとんどありません。だから、僕みたいに1人で海に入る場合、トラブルにはすべて自己責任で対処する覚悟が求められます。

溺れても、流されても、サメに襲われても、恐らく誰にも気づいてもらえません。日が暮れるころになって、宿の女将さんが「あれ、あのお客さん帰ってこないなあ…」と心配し始めるというのが関の山でしょう。

だから、常に自力で安全を確保できる範囲内で行動しなければなりません。

そのためには地元の人に話を聞き、自分の目で海岸地形や海の状態をよく観察しながら「素潜りして大丈夫な場所」を見極める必要があります。

で、そうした作業をした結果、候補に挙がったのが以下のポイントです。


小宝島の素潜りポイント

🔷赤立神海水浴場

島内唯一の海水浴場。波穏やかで、海に入る階段も整備されています。この島で最も安全に海遊びができる場所でしょう。

🔷湯泊温泉の入り江


海岸から湧き出す「湯泊(ゆどまり)温泉」のすぐわきに広がる入り江です。ここも比較的波穏やかで泳ぎやすそうです。

🔷城之前漁港


海岸の岩場を掘り抜いたような構造の漁港です。ここも波穏やかですが、港内に湧き出す海中温泉の成分により、人によっては体が痒くなることがあるという噂も聞きました。

🔷大淵


海面に突き出した大きな岩礁と、海岸の間に挟まれた深さ5mほどの天然プールのような磯です。とはいえ、潮が満ちている時間帯は外洋から強い波や流れが入ってくるので、それなりの注意が必要です。また、この場所へ行くには、海岸の道なき岩場を20分くらい歩く必要もあります。

以上、いずれも魅力的なポイントばかりですが、僕は2番目の「湯泊温泉の入り江」を選ぶことにしました。
理由は、長時間泳いで体が冷えてきたときに温泉であったまることができるから!
寒がりの僕には結構大事な要素です。というわけで、いよいよ素潜り開始です。

期待通りの豊かな海


温泉下の波打ち際より海中に身を投じた瞬間から、おびただしい数の魚が視界に入ってきました。

カラフルなチョウチョウウオにベラの仲間、ブダイの仲間、メジナの仲間。温泉の影響か、海底からはブクブクと泡が舞い上がっています。

入り江の出口付近まで泳ぎ進むと透明度はどんどん高くなり、アオブダイやテングハギ、それからヒレナガカンパチらしき回遊魚の姿も見えます。

と思ったら、白黒模様のウミヘビがサンゴの間をニョロニョロと泳いでいました。こいつは猛毒の持ち主なので慎重に間合いを取ることにします。

それにしても生き物の密度が高い。

今、この文章を書きながら、今回の旅行に防水カメラを持って来なかったことを激しく後悔しています。

去年の夏、南紀の海で泳いでいたときに防水カメラに海水が入り込んで壊れたまま、新しいのを買っていませんでした。これまで何度も海で防水カメラを壊し、買い替えてはまた壊れるということを繰り返してきたので、さすがに「もう水中写真はいいや」と思っていたのです。

でも、こうしてブログに旅行記録を書くのであれば、やっぱり新調しておけばよかった。どなたか、壊れにくい防水カメラをご存じでしたらぜひ教えてください。

記念すべきファーストターゲット

さて、問題の食材調達です。

しばらく入り江の中を泳ぎまわっていた僕は、潮流の強さを確かめつつ、大物を求めて恐る恐る入り江の外側に出てみました。



うん、このくらいの流れなら沖に出ない限り大丈夫そうだ。そう判断し、外洋に面した海岸沿いをしばらく泳ぐことにします。

サンゴが群生した岩礁をいくつか通り過ぎたとき、出会いがしらに30センチほどの平べったい魚が眼前に現れ、僕の射程に入りました。

いただき!

反射的にヤスのゴムを引き絞り、発射。

5本の刃先は狙いたがわず銀色の魚体を貫き、無数のウロコが水中花火のように飛び散ります。ヤスを握る右手にブルブルという痙攣が伝わってきました。

記念すべき今年初めての獲物はイスズミ。暖かい海の岩礁帯に生息するメジナの仲間です。


こうして、僕の小宝島の夏は華々しく幕を開けました。


















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コロナ禍のなか、45歳で新聞社を早期退職し、念願のアーリーリタイア生活へ。前半生で貯めたお金の運用益で生活費をまかないながら、子育てと読書と節約の日々を送っています。

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