今年の夏も南の島へ一人旅に出かけます。
出発は明日(7月30日)の早朝。行き先は九州近海のとある島。この島の自炊宿に8月末まで30連泊し、魚突きや釣りを心ゆくまで堪能する予定です。
ただし、この旅の目的は単に楽しむことだけではありません。実は、僕の今後の人生設計を考えるための「実験」の意味合いが含まれています。
一体、この島で何をして、何を考えるつもりなのか。その辺りを説明しておきたいと思います。
海辺暮らしは飽きるのか?
まず最初に今回の旅の最大の目的を一言でいっておくと、「自分はどのくらい海辺暮らしが好きなのか」「毎日毎日ひたすら魚突きや釣りばかりしていると、どのくらいで飽きてしまうのか」という疑問の答えを見極めることにあります。
なぜ、そんなことを知りたいのかと言うと、将来の移住計画に影響するからです。
このブログをいつも読んでくれている方はご存じかと思いますが、僕の将来の夢は、子供3人(大学1年~高校1年)の独立後に海辺暮らしをすることです。(※詳しくはこちらの記事をご覧ください)
すでに4年前に会社を早期退職して居住地選択の自由を手に入れた僕ですが、今のところは子供たちの学校の事情でやむなく都会に住んでいます。しかし、あと数年して子育てが完了した暁には、どこか綺麗な海のある田舎に引っ越して、大好きな魚突きや釣りを楽しみながら暮らしてみたいなと夢見ています。
ただ、移住計画が具体的に固まっているかというと、全くそんなことはありません。海辺の中古住宅を買うのか、賃貸物件に入るのか、そもそもどの辺りの地域に住むのか、何ひとつ決まっていません。
なにより最大の問題は、妻が常々「私は田舎暮らしなんかしたくない。やるなら自分だけでやって」と公言していることです。従って、僕が海辺暮らしを実行しようと思えば、必然的に妻と別居することになります。もちろん、その時点で子供たちは働いているわけだから、僕は海辺で一人暮らしを始めることになるわけです。
そう考えたとき、一抹の不安がよぎります。
いかに魚突きや釣りが好きとはいえ、50代後半になった自分(子供が大学を卒業する頃にはこのくらいの年齢になっている)が、これまで縁もゆかりもなかった土地に単身で移住して、そこで毎日楽しく暮らすことができるだろうか、と。
仮に大きな魚を仕留めたり、珍しい高級魚を釣りあげたりしても、「うわ~、すごい!」「これはうまい!」と喜びあう仲間がいなければ、楽しさが半減して、すぐに飽きてしまうんじゃないか、と。
移住か、2拠点か、長期滞在か
そこで最近、僕が考えるようになったのは、2拠点生活という折衷案です。
なにも自分の生活拠点を100%移してしまわなくても、都会の住まいを確保したまま、どこかの海辺の中古物件をセカンドハウスとして購入し、一年の半分くらいを海辺暮らし、残り半分を家族と一緒の都会暮らしに費やせば、それが一番楽しいのではないか、というわけです。(もちろん出費は増えますが…)
さらに言えば、物件は購入せず、毎年夏の間だけ海辺の宿に長期滞在すれば、移住までしなくてもそこそこ満足できるんじゃないか、という思いも少しだけあります。
ただ、長期滞在と言っても1カ月なのか、2カ月なのか、3カ月なのか。どのくらいで自分が満足できるのかはやってみないとわかりません。もしも1~2カ月程度の滞在じゃ満足できないというのであれば、宿に泊まるより中古物件を買った方が安くつく、という可能性も出てきます。
そんなこんなで、とにかく一度、ある程度長期の海辺暮らしを疑似体験して自分の心を観察してみないと話が前に進まない、という結論に至りました。で、手ごろなコストでそういう体験ができそうな宿泊施設を色々探してみたところ、「これは!」と思う宿を見つけることができたのです。
1カ月6万円台の自炊宿
場所は九州の南の海上に浮かぶ有人島。(仮にX島と呼ぶことにします)
主に仕事や観光(あるいは放浪)で島に長期滞在する人を対象にした宿泊施設で、自炊用の共用キッチンがあり、1カ月分の滞在費用は6万円台。賃貸物件の家賃と大して変わらない安さです。
ただし、普通の旅館や民宿とは違って、宿泊者は互いに協力して週に何度か掃除や修繕などの役割をこなさなければならないというルールが定められているとのこと。もちろん、それでコストが抑えられるなら、僕としては願ったりかなったりです。
ちなみに、僕が昨年訪れたトカラ列島の小宝島は、「店」と名のつくものが1軒もない秘境のような島でしたが(詳しくはこちらの連載をご覧ください)、今回訪れるX島はそれよりずっと人口が多く、宿の周りにも食料品店や釣具店があって便利そうです。
もちろん、海岸には魚がたくさんいそうな荒磯が広がっています。海辺暮らしの予行演習としては申し分ない環境だといえるでしょう。
晴れ→魚突き、曇り→釣り、雨→昼寝
それでは皆さん、これから1カ月間、僕はこの島で思う存分海辺暮らしに励んでくることにします。
晴れの日は、ウェットスーツに身を包んで魚突き&泳ぎ釣り。
曇りの日は、釣り竿をかついで陸の上から磯釣り。
雨の日&海が荒れた日は、読書か昼寝。
毎日の食事に必要な米や野菜は地元の店で調達するけど、タンパク質だけはなるべく海で自給自足する。
こういう生活を1カ月続けたとき、自分はどんな心境になっているのか。
「もう飽きた。海辺暮らしは年に1カ月で十分だ」と思うのか。
「まだ足りない。2~3カ月は必要だ」と思うのか。
「全然だめ。やっぱり本格的に移住しなきゃ話にならない」と思うのか。
そのあたりをしっかり見極めてきます。